石油

石油の歴史No13【グルベンキアンとレッドライン協定】

第一次大戦後、イギリスは、後にイラクとして知られるようになる旧オスマントルコ帝国の一部、メソポタミア一帯を完全支配したいと考えていました。一方フランスも、その一部の地域バグダットの北西にあるモスルについて権利を主張していた。こうして、イギ…

石油の歴史No12【アラビアのロレンスとイラク国王ファイサルの誕生】

1900年初め、崩壊寸前のオスマントルコ帝国に対し、イギリス、フランス、ドイツが石油利権を求めて争っていました。 そしてドイツ銀行率いるドイツグループが鉄道建設の調査を行い、その工事費を負担するドイツ銀行が代償として鉄道沿線の油田開発の権利…

石油の歴史No11【第一次世界大戦時の石油を動力源とした機械の威力】

【戦車】 yaseta.hateblo.jp 1914年9月6日から8日にかけて、タクシー部隊による兵力増強を受けたフランス軍の反抗とそれに続くイギリス軍の反抗で、綿密に計画されたドイツ軍の攻勢は終了し、ドイツ軍が退却した後、西部戦線では両軍が塹壕を掘って対…

石油の歴史No10「自動車部隊の先駆けとなったパリのタクシー部隊」

1914年6月28日オーストリアのフランツ・フェルデナンド皇太子がサラエボで暗殺され、7月28日オーストリアがセルビアに宣戦を布告しました。わずか2ヶ月でヨーロッパの主な国がほとんど戦争に加わりました。第一次世界大戦の始まりでした。この戦…

石油の歴史No09【アングロ・ペルシャ・オイルの設立】

19世紀末、ペルシャ帝国(現在のイラン)は凋落の一歩にあり、ヨーロッパの強国は領土を狙っていました。 何世紀もの間、燃え続けている“神の火”に興味を示したのはオーストリアの鉱山技師のノックス・ダーシーでした。 オーストラリアで金鉱を掘り当て、…

石油の歴史No08「革命家スターリンを育てたバクー油田」

1892年~1903年、ロシアの産業は大蔵大臣セルゲイ・ウィッテ伯爵の優れた政策により、著しい進展をみせました。しかし、国の中心人物ニコライ二世は専制君主で無能でした。そして、ロシア人以外のすべての少数民族を弾圧したため、反乱が起こり、1…

石油の歴史No07「スタンダード・トラストの解体」

1886年、ゴットリーフ・ダイムラーやカール・ベンツによる自動車の発明により、欧米で次々と自動車製造へ乗り出す野心家が現れ、自動車生産に拍車がかかります。 それに相まって、メキシコ湾岸、アメリカ大陸中央部で油田開発が始まり、石油の生産量は拡…

PC(ポリカーボネート)とPC(パソコン)

先日、秋葉原のヨドバシカメラからデータバックアップ用として太陽誘電社製24枚入り980円のCD-Rを購入しました。一枚41円と数年前と比べたら1/4の安さでした。 CD、DVD、MO(光磁気ディスク)の材料はポリカーボネートというプラスチック…

石油の歴史No06「ガルフとテキサコの誕生」

【ガルフの設立】1893年メキシコ湾とつながるサビン湖の港町、テキサス州ボーモントの町の丘のスピンドルトップでパティロ・ヒギンズは小規模な石油を掘り当てました。さらに、ヒギンズは共同採掘者を募り、応募したアンソニー・ルーカスと石油探鉱の契…

石油の歴史No05「灯油に代わる新しい市場」

19世紀の末まで、夜の明かりは灯油か、ガスか、ろうそくでした。しかし、1882年アメリカでエジソンは電気による照明を商業化して発電事業を始めます。この技術革新で世界が変貌します。電気はすばらしい光をもたらし、新しい時代の幕が明けられたので…

映画「ジャイアンツ」で見る石油成金

石油の開拓時代、人々は一攫千金を求め、オイルラッシュが起こり、一部の幸運なものが石油を掘り当て一夜にして億万長者の石油成金になりました。 石油成金でジェーム・ディーンが出演した映画「ジャイアンツ」を思い出したので、DVDを借りて見ました。 …

石油の歴史No4「ロイヤル・ダッチ・シェルの誕生」

イギリスのロンドンのマーカスとサムエルのサムエル兄弟は父親から引継ぎ貝の輸入業を営んでいました。 1885年マーカスはロスチャイルドと組んで自分が開拓したアジアの市場に石油を販売するために乗り出します。そして、石油専用タンカーを9隻建造しま…

石油の歴史No3「ノーベル兄弟とロスチャイルド家」

yaseta.hateblo.jp ロシア帝国南部カスピ海沿岸の小さな町バクーは古くから知られた産油地帯で紀元前には“永劫の火の柱“の奇跡として拝火教の発祥の地でした。既に9世紀以来、手掘りで採油しており使用されており、16世紀から商売が始まり、19世紀初期…

石油の歴史No2「ロックフェラーによる石油トラストの形成」

1859年ドレーク大佐の石油発見後、ペンシルベニア州北西部のオイルクリークは石油ブームに沸き、大勢の人々が押し寄せ、掘削を始めます。石油の生産は急激に伸び、市場は常に供給過剰になり、石油価格は急落します。井戸が枯渇するとさらに掘削を行いま…

石油の歴史「まえがき」と「石油産業の黎明期」

1.まえがき1859年8月27日ペンシルベニア州タイタスビルでドレーク大佐が初めて石油を発見してから150年、今や、石油は人類社会のいたるところで使われ、これなくして社会活動は瞬く間に麻痺してしまいます。150年間に起こった国家興亡にかか…

藤原正彦著「国家の品格」を読んで

ベストセラーになっている「国家の品格」藤原正彦著(新潮新書)を読んでみました。そして私が関心を持った箇所だけ取り上げてみます。著者は最近の情勢から「日本を含めすべての先進国で社会の荒廃が進んでいる。その原因は産業革命以来地球を支配してきた…

つくばエクスプレスを利用しています

明日の授業の資料を印刷するため、八王子のH大に行くことにしました。授業の日は朝6時の電車に乗りますが、今日は9時頃、東部野田線の運河駅から乗りました。 流山おおたかの森で乗り換え、つくばエクスプレスに乗り、秋葉原に向かいます。 今日は余裕が…

中国産業視察団を熱烈歓迎したこと

世界最大のダイアモンド会社「デ・ビアス社」が日本の一般民衆に「結婚指輪は給料の3ヶ月分です」と宣伝していた1966年~1976年(2006.5.13のブログ)、お隣中国では文化大革命という中国国民にとって大変な事態が起こっていました。 yase…

原油価格と砂糖価格は相関あり

原油価格が2003年のイラク戦争前後は1バレル約30ドルだったのが、徐除に価格上昇が続き、2005年半ばに50から60ドルとなり、先週は一時的かも知れませんが、70ドルを越えました。 4月25日の新聞やテレビはこのまま、原油高が続くと、よう…

サウジ政府高官の息子の研修

4月5日から3日間、サウジアラビアのスルタン・ビン・アブドゥルアジーズ皇太子(70歳)が日本国交樹立50周年記念行事の一環として来日しています。サウジアラビアは政治的にも安定しており、イスラム国でありながら、欧米や日本の経済や社会システム…

アラムコアブカイク石油施設のテロ未遂と1977年の爆発事故

2月27日の9時のNHKニュースでサウジのアラムコ社アブカイクの石油施設テロ攻撃を治安当局が事前に察知し、武装勢力潜伏先を襲い、殺害し、未然に防いだという報道がなされました。 1986年(昭和61年)7月~9月、8回シリーズで、フランステレ…