アラムコアブカイク石油施設のテロ未遂と1977年の爆発事故

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2月27日の9時のNHKニュースでサウジのアラムコ社アブカイクの石油施設テロ攻撃を治安当局が事前に察知し、武装勢力潜伏先を襲い、殺害し、未然に防いだという報道がなされました。

1986年(昭和61年)7月~9月、8回シリーズで、フランステレビ局「T.F.I」が作成した「石油」という石油の興亡の歴史を描いた海外ドキュメンタリー番組を見ました。

それによる、1941年アメリカのスタンダード石油カリフォルニア(Socal)がアブカイク油田を発見し、1944年にアラビア・アメリカ石油会社(略称:アラムコ)を設立しました。
その後、テキサコなど3社が加わり、サウジには利権料を払うが、開発、生産、販売ルートをアメリカ系石油会社が握り、巨額な利益を得ます。

イラン・イラクと違い、サウジはアメリカの会社経営の優秀さにはかなわないと認識し、融和策をとりながら、資源ナショナリズムが起こったときも強制的に接収することなく、徐々に資本比率を上げていきました。

現在、採掘、生産はサウジ側がほぼ実権を握っていますが、技術やアメリカが長年かけて築きあげた販売ルート・ノウハウを前面的に取り込むことは難しく、サウジは技術や販売などはまだアメリカの影響を受けているようです。

テロはなくとも、可燃性の石油を扱う産業は危険があり、関連する人々が採掘、生産の安全管理に長年、経験と研究を重ね技術を確立してきました。そして、細心の注意を払っても、ミスを犯し、ときには大事故を起こすこともあります。
サウジの親欧米化がイスラム過激派の反感を買っているのかわかりませんが、同じイスラム国家に対し、情け容赦なく、爆破テロをやろうとするなんて、イスラム世界の理解し難い複雑さだけを感じました。

1977年(昭和52年)5月、アブカイク油田で爆発事故を起こし、原油供給不安になり、日本経済に影響を及ぼしました。そのときの所内報に載せたイラストに着色してブログに載せてみました。