PC(ポリカーボネート)とPC(パソコン)

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先日、秋葉原ヨドバシカメラからデータバックアップ用として太陽誘電社製24枚入り980円のCD-Rを購入しました。一枚41円と数年前と比べたら1/4の安さでした。

CD、DVD、MO(光磁気ディスク)の材料はポリカーボネートというプラスチックです。

I社内ではポリカーボネートをPCという略号を40年~50年前から使っていましたので、パソコンが普及した頃(30年前ごろ)は不用意にパソコンのことをPCというと関係者から誤解を招くと注意されました。

ポリカーボネート樹脂は透明で光を通す性質を生かすと記録媒体(CD・DVDなど)や車のヘッドライトのレンズ、耐衝撃性を生かすとヘルメットの材料、伸び縮みが小さいことや耐熱性もあるので歯車など精密製品やコンピューターのハウジングなどに使用されています。

I社は昭和44年(1969年)に自社技術によりポリカーボネート製造装置を完成させました。そのころ、製品を販売するため、ポリカーボネートの用途開発をしていた先輩社員に聞いたことを思い出しました。

ポリカーボネートは耐衝撃性があるので野球のバットに使えるに違いないと試作して、高校野球連盟に持って行ったところ、球が飛びすぎて、規格外であるため、採用には至らなかったということでした。

また、I社は光磁気ディスク事業に参入しましたがこの分野の競争が激しく、諸般の事情で撤退しています。

【参考】CD-RとDVD-Rの製造の概略

1.CDやDVDの基盤製造は射出成型すなわち、ペレット状のポリカーボネートを低温で溶かして、高圧で注射機のように金型に押し込み作ります。プラモデルの作り方と同じです。

2.「溝の刻印」
CD-Rはウォブルグルーブという溝を刻みます。
DVD-Rはランドプリピットとウォブルグルーブの両方の溝を刻みます。(詳しくはわかりません。)

3.「記録層の塗布」
スピンコートと呼ばれる方法で、記録層に使用される有機色素(アゾ系の色素)が塗布します。スピンコートはポリカーボネート基板を高速回転させ、遠心力を使用して均一な厚さに塗布できます。

4.「反射層の生成」
スパッタリングと呼ばれる方法を用います。このスパッタリングは、真空で基板上に物質を付着させて薄膜を形成する方法です。CD-Rはこれで終了。

5.「ダミー基盤の張り合わせ」(DVDのみ)
DVD-Rはあらかじめ準備しておいた0.6mmのダミー基板と作成された基板を張り合わせます。両面メディアを作成する場合は、ダミー基板の代わりに、記録用に作成された基板を張り合わせることになります