ヤフーとグーグル2大牙城の日本検索サービス市場に中国の百度(バイドゥ)が参入

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Nikkei BP netニュースによると2008年1月23日に中国検索サービス市場最大シェアを持つ「百度」(「Baidu」バイドゥ)が新たに参入したと載っていました。

 

すっかり、忘れていましたが数年前から中国の新興検索サービス会社「百度バイドゥ)」が中国国内で躍進しており、2005年にはアメリカのナスダックに上場し、上場当日5倍近い値がついたと報道され、一時注目されたことを思い出しました。

 

日本を含め世界の検索サービス市場でグーグルとヤフーのシェアは8割を占めていましたのでほとんど注意をしていませんでした。

 

今回、あらためて調べてみると2006年の中国国内の検索サービスシェアはグーグルが16%、ヤフー16%に対し、バイドゥが50%と圧倒的なシェアを占めていました。

 

現在、39歳の「百度バイドゥ)」の創業者「李彦宏(リーイエンホン)」は中国IT業界のカリスマとして確固とした地位を築いており、彼もまた、グーグルやヤフーを設立したラリー・ページやジェリー・ヤン同様に独自に検索エンジンを開発して検索サービスの会社を設立したのでした。

 

日本はアメリカと逆でヤフーがグーグルよりシェアが高く、両方で8割以上のシェアを持っています。

 

その検索サイトにこの1月23日から「百度バイドゥ)」が参入し、「Webページ検索」「画像検索」「動画検索」「ブログ検索」の4種類をサービスし、中国で最も人気のある「音楽ファイル検索」は違法に音楽ファイルをダウンロードするトラブルなど問題があるため日本ではサービスしないそうです。

 

検索エンジンは「百度バイドゥ)」独自の検索エンジン「Baidu.com」を使っています。参入したばかりで「百度バイドゥ)」はグーグルやヤフーどこがちがうのかわかりませんが、これからサイトが充実され、利用者が増加するとともにサービスや検索機能の善し悪しなどが明らかになると思われ、シェアを伸ばすのか鳴かず飛ばずになるか見守りたいと思います。

 

【蛇足】
【検索サイト「百度」(「Baidu」バイドゥ)の創業者「李彦宏(リーイエンホン)」】

 

1968年、李彦宏(リーイエンホン)は北京から南西300km離れた山西省で5人兄弟の4番目に生まれました。頭脳明晰で北京大学に合格しコンピュータサイエンスを学びました。

 

大学2年の1989年天安門事件が起こり、将来に不安をもち、1991年、卒業とともに奨学金を提供したアメリカのニューヨーク州立大学バッファロー校に留学し、大学院に進学、コンピュータサイエンスで博士号取得しました。

 

1994年ダウ・ジョーンズ社に就職し、ソフト開発の仕事に従事し、検索ソフトを次々と開発しました。そして、ネット上の莫大な情報の中から絞り込み、最も高い満足度の情報を取得する検索技術「リンク解析」を考えだしました。

 

人気のあるサイトには多くの利用者が画面表示しますのでリンクが張られます。満足度の高い情報を効率的に取得するためにはリンクの多いサイトを探せば良いという着想で検索エンジンの基本を開発しました。

 

しかし、上司はほとんど関心を示さなかったそうです。その後、データベース会社の「インフォシーク」に移り検索エンジン研究開発に移りますが1999年インフォシークはディズニーに買収され検索エンジン事業から撤退しました。

 

そこで、生化学の博士でシリコンバレーで働く友人「徐勇(シューヨン)」と経済成長の兆しがみえてきた中国に帰国し、2001年に中国のポータルサイト(検索サイトの初期画面)にリンク解析機能を付加したネット検索技術を提供する企業として会社を創業しました。

 

その後、グーグルに先駆けクリックに応じて広告料を支払う「ペイ・パー・クリック方式」の広告システムが当たり、また、音楽ファイル検索サービスなどで急激に利用者を増やしました。

 

2005年アメリカのナスダックに上場し、公開開始始め27ドルが上場後122ドルの高値をつけ、一夜にして40億ドル(4400億円)の企業になりました。

 

売上高は2006年第1四半期1700万ドル(18億7千万円)、利益4百万ドル(4億4千万円)、第2四半期2400万ドル(26億4千万円)、利益7百万ドル(7億7千万円)と急成長しています。

 

アメリカ、日本と違い中国のネットユーザーの7割が30歳以下だそうです。また、百度が提供するサイトを使うと違法音楽ファイルをダウンロードすることができるなど著作権侵害問題や政府による言論の規制などがあり、企業の社会的責任や法整備や国としての問題・課題があるようです。

 

百度(Baidu)の由来】
中国宋時代の漢詩の一節「…人込みの中を幾度となく探し回った。ふと振り返ると、あの人はいた 消え入りそうな灯火のそばに」の「幾度も探す」の幾度を意味する中国語「百度(Baidu)」とり、検索エンジン事業のイメージとして使ったそうです。
 
【参考】
(1)中国で検索最大手の百度が日本に本格上陸、画像や動画検索も提供、2008.1.23、nikkeiBPnet ニュース、PConline
(2)Googleの牙城に挑む「百度」、COURRiER Japon、2006.12.7
(3)百度(Baidu)の社名の由来、日本法人「百度株式会社」概要、2006.12設立
(4)百度ホームページポータルサイト