2007年10月14日(日)、NHK総合で16:25から「フェルメール盗難事件“解き明かされた名画の謎”」というドキュメンタリーがありました。(2001年8月16日に放送されたものでした。)
【相次ぐ名画盗難事件】
フェルメールについては絵画と同名の映画「真珠の耳飾の女」や9月26日から12月17日まで東京六本木の国立新美術館で“フェルメールの「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展”が開催されているなどもあり、最近、映画やテレビなどで取り上げられ、私も知るようになりました。
特に、この番組「フェルメール盗難事件」は題名が題名だけに興味を引かせるものでした。
【フェルメール盗難事件“解き明かされた名画の謎”】
1990年3月19日ボストンのイザベラ・ガ-ドナ-美術館からフェルメールの「合奏」やレンブラントの絵画を含む10数点、推定総額300億円が盗まれ、まだ犯人は捕まえられておらず、賞金6億円(500万ドル)がかけられているそうです。
1990年3月19日ボストンのイザベラ・ガ-ドナ-美術館からフェルメールの「合奏」やレンブラントの絵画を含む10数点、推定総額300億円が盗まれ、まだ犯人は捕まえられておらず、賞金6億円(500万ドル)がかけられているそうです。
フェルメールの絵画は過去に数回盗難事件に合い、そのたびに謎が解き明かされてきました。
1971年、アムステルダム国立美術館所蔵のフェルメールの「恋文」が盗難に合いました。犯人は21歳の若者でバングラディシュの難民支援に20億円を提供せよと脅迫しましたがつかまり絵画は戻りました。しかし、犯人は額から絵をナイフで切り取って盗み、体に隠して逃走したため、絵が大きく損傷してしまいました。
修復作業を実施し、はがれ落ちた絵の具から、フェルメールの絵の謎がわかってきました。地塗り層、下塗り層、絵の具層と3階層に塗り、表面の絵の具層は0.05ミリと薄くし、下地の色が浮き上がらせることにより、褐色の下地の色が出るようになったそうです。
1974年4月北アイルランドの過激派IRAに共鳴した女性ブリジット・ダグデールはダブリン郊外の私邸ラスボロー・ハウスからフェルメールの「手紙を書く女と召使」他19点の絵画を盗みました。犯人はIRAの闘士を釈放せよと要求しましたが間もなくつかまりました。
「手紙を書く女と召使」を修復しているときに後で加筆された部分を発見し取り除いてみるとオリジナルの絵がでてきました。手紙を赤色のロウで封印する「封蠟(ふうろう)」の絵です。
これまで床に落ちている手紙は女性が書き損じた手紙を捨てたと解釈されていましたが封蠟がでてきたことで受け取った手紙の封蠟を取り、開封して読み、激しい感情にかられ手紙を床になげつけたという新解釈が生まれました。
1986年年5月再びラスボロ-・ハウスから常習犯「マーチン・カーヒル」が「手紙を書く女と召使い」を含む11点を盗みました。
しかし、1993年カーヒルはおとり捜査に引っ掛かり逮捕され絵はもどされました。そして、修復作業中、絵にピンの穴を発見しました。ほかの絵17点にも穴がありました。これは遠近法の消失点だったのです。この穴にピンに墨を着けた紐をつけ日本の大工が墨付けをする要領でフェルメールは絵画に遠近描写を施していたことが判明したのです。
1990年のフェルメール合奏盗難事件は500万ドルがかけられていますがまだ解決されておりません。
当初疑いをかけられていた元美術品泥棒のマイルス・コナーはフェルメールの絵の発見に協力しようとしていました。
協力する理由として彼はフェルメールの絵は日常生活の穏やかさを感じられ、見ていると生きているような心が見えてきて見る者の心に語りかけくる。このような素晴らしい絵は隠しておくべきでなく社会の人々に見てもらうのが本当である。そして、賞金500万ドルも欲しいからと言っていました。