歌麿の幻の肉筆画「女達磨図(おんなだるまず)」発見される

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2007年10月5日の読売新聞に江戸時代の浮世絵師、喜多川歌麿が描いた幻の肉筆画「女達磨(だるま)図」が栃木県栃木市で見つかったと載っていました。

 

江戸時代は現在のようなカメラや印刷技術がなかったので江戸で芝居の人気役者や商家の美人の看板娘の絵を版画で作り販売しました。この美人浮世絵版画は現在の女優人気スターのブロマイドといったところですがこれらの美人画はたちまち評判になり飛ぶように売れたそうです。

 

江戸時代の浮世絵師の中でも人気トップを走っていたのが喜多川歌麿で数々の美人画を残しています。

 

今回見つかった絵は浮世絵師の第一人者の喜多川歌麿の作品で、しかも大量に出版される版画と違い、一枚しか残らない肉筆画なので大変な貴重なものだそうです。

 

この絵は「女達磨図(おんな だるま ず)」で達磨の姿をした遊女の上半身の絵です。昭和初期の資料に記述がありましたが写真もなく現存しているか不明だったそうです。

 

千葉市美術館の浅野秀剛学芸課長が鑑定し、歌麿の肉筆画と確認しました。この絵の持ち主は栃木県に住む女性で、亡くなった夫が20~30年前に廃品回収業者から3000円で購入し自宅で保管していたものだそうです。

 

同じ日の中日新聞の夕刊を見ると「複数ある版画と違い、肉筆の単品は相場が作れない。幻の作品ならなおさらプレミアが付き、値段は付けられないのでは」という古美術商のコメントが載っておりました。

 

作品は当面、栃木市の「とちぎ蔵の街美術館」で保管するそうです。