昨年(平成31年2019年1月中旬)、イオンスポーツジムで知り合った人に「恵方ってなに!」と聞かれ、応えられなくて、そのまま、忘れてしまいました。
今年(令和2年、2020年1月中旬)、イオン店内に「恵方巻の予約受付と今年の恵方は西南西です」と表示された広告がありました。
年明けから中国武漢で発生した新型コロナウイルスにより重度の肺炎を引き起こす感染症が、昨日(1月30日)、中国国内で9000人が感染、200人が死亡、日本でも14人が感染しています。感染者は世界中に広がり、増加しているため、WHOもついに緊急事態を宣言しました。
そうでなくとも、地方に残る旧正月のならわしが新暦への移行や人口減少による過疎化で廃れてきていますので古き良き伝統は残して欲しいと思うようになり、恵方の由来と西暦に対応する恵方の決め方など調べました。
西暦550年頃、中国から陰陽五行説を採り入れた太陰太陽暦が伝わり、明治時代以前までこの暦を使っていました。
(1)陰陽五行説
(2)五行配当表
(3)陰陽太陽暦(旧暦)、二十四節気と七十二候、十干表、十二支、六十年干支表
明治時代になって新しい暦「太陽暦」に移行したため、太陰太陽暦は旧暦となりましたが、生活に密着した旧暦のならわしが残ったため、新暦の日付欄に旧暦の日付を入れたカレンダーが使用されるようになり、現在も旧暦対応のカレンダーが多く使われています。
(4)2019年の二十四節気と七十二候
2020年の旧暦対応のカレンダーを見ると、2020年1月20日から2月3日までの15日間が24節気の最後の節気である第24節気「大寒(旧2019年12月26日~2020年1月10日)」で、2020年1月25日が旧正月(旧暦1月1日)となります。
そして、2020年2月4日から2月18日の15日間が24節気の最初の節気である第1節気の「立春日(旧2019年12月26日~2020年1月10日)」となります。
第24節気「大寒」と第1節気「立春」の立春の日の節気の分かれ目として立春の前日の2020年2月3日(旧1月9日)が節分となります。
この節分の日に関西では恵方に向かって恵方巻を食べるというならわしがあり、最近コンビニ業界が宣伝とともに売り出し全国に広まったということです。
私のこどもの頃(1950年代)1月下旬から2月初旬の大寒の時季は大雪と吹雪になるための小国町の小・中学校は寒休みという10日間ぐらいの休みがありました。
旧正月の行事として町はずれの野原でわらと去年のお札などを燃やして無病息災を祈念する「さいず焼き」や木の枝に団子を刺しや短冊をつるし、家の柱に飾ったりしていました。
また、女神の歳徳神(としとくじん)様やお水神(おすいじん)様や他の神様そして参拝した神社やお寺のお札を祀っている実家の神棚を拝んでいました。
立春前日の2月3日の節分の日には豆まきをやっていましたが、歳徳神様が居られる恵方を拝むことや恵方巻を作るというならわしはありませんでした。
しかし、恵方巻を食べるならわしがなくとも恵方や旧正月のならわしは陰陽五行説由来のものであることをあらためて知りました。
【恵方とは】
陰陽五行説において福徳をもたらす歳徳神(としとくじん)が住む方角を恵方(えほう)と言い、その方角に向かって拝み、事を行えば、物事すべて「吉」をもたらすといいます。
歳徳神が住む方角である恵方は陰陽五行説に従って毎年変わります。しかし、一般の家庭の初詣(はつもうで)は恵方の方角にある神社やお寺に参拝するならわしになったといいます。
なぜ、恵方(歳徳神がいる方角)は毎年変わるのかわかりませんでしたが恵方を決める方法を調べ、オリジナルの「西暦対恵方関係表」を作成しました。
参照:「西暦対恵方関係表」の作成
【ある年の恵方を求めた例】
「西暦対恵方関係表」から2019年の恵方は東北東、2020年の恵方は西南西となりました。
ブログの変換式から六十年干支年を求めると2019年は己亥(つちのとい)年、2020年は庚子(かねのえね)年であることから十干の己(つちのと、き)は9、庚(かねのえ、こう)は0と十干と西暦1位は対応していることがわかります。
【参考】
1.「歳徳神」、フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)
2.「陰陽五行説」、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
3.「年中行事事典」、西角井正慶編、東京堂出版、1958年5月23日
4.「陰陽五行でわかる日本のならわし」、長田なお、(株)淡交社、2018年12月13日
5.「こよみのページのHome-Page」Webサイト、作者「かわうそ@暦」、http://koyomi8.com/