韓国財閥一族と第45代米大統領トランプと130年前のロックフェラーの共通点

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2016年12月9日、3分の2以上の234人の賛成で大統領の弾劾訴追案が可決され、これによりパク・クネ(朴槿恵)大統領は職務停止に追い込まれました。

 

大統領は親友「チェ・スンシル(崔 順実)」が絡む財団などに機密を漏らし、大手財閥に資金提出を呼びかけたこと、また、虎の威を借る親友が娘を韓国一流大学に裏口入学させたことに国民が怒り、韓国史上最大の大統領退陣要求デモを起こし、政府を動かしたからです。

 

国民の怒りが一挙に噴出する引き金となったのは大統領スキャンダルですが、背景として韓国経済が低迷し、中間層と富裕層の格差拡大と社会の不平等を起こしている黒幕は政府と癒着する大手財閥にあると国民は根強い不満を持っているからです。

 

1961年、クーデターで政権を取ったパク・クネ(朴槿恵)の父パク・チョンヒ(朴正煕)大統領は朝鮮戦争(1950-1953)で疲弊した韓国をスピード再建するため、独裁体制を採用、10個前後の企業を指定し、財閥を形成し、優遇しました。 そして日本からの経済援助を取り付け、漢江の奇跡を起こし、経済成長を成し遂げました。

 

朴大統領、韓国、漢江の奇跡

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政府の優遇を受けた10数の財閥は経済成長とともに韓国市場を独占し、莫大な富を握り、政府と癒着し、親族・親友を大切にする儒教文化が絡み、一族が支配する巨大財閥となりました。
韓国は10数の財閥が経済を支配して、財閥一族や財閥に近い者達だけが恩恵に与る不平等社会になってしまい、改善されずに現在に至っていると韓国国民は叫んでいます。

 

財閥出身の李明博前大統領も収賄で起訴され、過去の大統領ほとんども金と権力の問題を引き起こしています。
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韓国の筆頭財閥はサムソン財閥で、創設者の李一族の資産は296億ドル、2016年11月発表のアジアの富豪一族資産ランキングで2年連続の第1位になりました。サムソングループの資産総額は3,350億ドルと驚異の同族企業であると伝えられています。(2016年11月10日Web版Forbs Japan)

 

今回の事件の張本人「チェ・スンシル(崔 順実)」の関与など真相究明のため、2016年12月6日国会聴聞会が開かれ、大手財閥の代表が証人として出席しました。サムソングループの代表として出席したのは4代目会長イ・ゴンヒ(李健熙)氏の長男で5代目候補のサムソン電子副会長のイ・ジェヨン(李在鎔)氏でした。

 

スタンダード・オイル・トラスト解体事件と韓国財閥の共通点】
130年前にもアメリカで同様な事件がありました。
石油市場を独占し、莫大な資産を築き、傲慢な態度をとる、1882年設立のスタンダード・オイル・トラストの総指揮者ロックフェラーとその億万長者の役員9人に対し、新聞・雑誌のメディアは反トラストの大々的キャンペーンを展開しました。
国民の声に押され、政府が乗り出し、7年の裁判の末の1911年に、最高裁はトラスト解体の判決を下した事件です。

 

ロックフェラーによる石油トラストの形成

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スタンダード・オイル・トラストの解体
個人的考えですが、韓国の財閥一族とロックフェラー率いる経営陣が持っていた考え方の共通点は傲慢で国民を全く理解していなかったことだと思います。

 

両国民とも不平等を拡大している原因は一握りの富豪達が富を独占していると考えていたのです。そして、韓国民は財閥一族が富と権力を笠に着る傲慢不遜な両班(ヤンバン、朝鮮王朝の貴族)と見ており、アメリカ国民はトラスト経営陣を富と権力で多くの企業を潰すか買収・吸収する情け容赦のない邪悪な存在と思っていました。
(注意 : ブログのイラストに韓国民が非難している財閥のシンボルとしてサムソン財閥の李一族のイ・ジェヨン(李在鎔)氏を取り上げていますが個人として傲慢ではないと思います。)

 

それに対し、ロックフェラーと役員達は企業活動により国家社会に貢献しており、国民はその恩恵に与っている、それはわかっていない一部の国民の妬みと嫉妬であると信じていました。
韓国の財閥一族も同様な考えをしているからこそ韓国民から非難されていると思うわけです。

 

ロオクフェラーはそうでなかったことに初めて気がつき、解体後の1913年、ロックフェラー財団を作り、慈善事業に専念しました。
三井・三菱・住友・安田など日本の財閥は1945年GHQの指令で解体されましたが、韓国の財閥はいつの日か政府・国民から構造改革と一族支配からの脱却を迫られるかもしれません。

 

【次期大統領ドナルド・トランプの傲慢さが不安を招いている】
大富豪のドナルド・トランプ氏は2017年1月20日、第45代アメリカ大統領に就任するという途方もない権力を手に入れました。
トランプ氏は大統領選挙戦での態度や演説などのメディアの情報から表面上の素人判断しかできませんが、トランプ氏の傲慢不遜な態度や考え方は韓国財閥一族とロックフェラーの態度や考え方に似ており、絶大な権力を持っているが故に大きな不安を覚えます。

 

トランプ氏は次期大統領として他国に目を向け、国際共通の認識に基づいた考え方を持ち、謙虚になって欲しいと思います。

 

このブログを作成しているときに2016年12月15日(木) 午後9:00からNHK BSプレミアムのドキュメンタリー番組ザ・プロフィラーで「夢と野望の人生、華麗なる一族の光と影~ロックフェラー一族」が放送されることがわかりました。
ロックフェラーの話を入れたこのブログがようやく、放送日と同じ日の午前中にできたので一足早く、アップロードすることにしました。今日の夜の放送内容見ながら、私のロックフェラーについてのまとめ方や表現の仕方などについて「良し」とするか「良くない」とするか自己評価してみたいと思います。