新日鉄と住友金属の合併で世界第2位の巨大鉄鋼メーカー誕生予定。しかし-------。

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2009年の粗鋼生産量世界ランキング第4位の新日本製鉄と第19位の住友金属工業は2012年10月をめどに合併するというニュースが報じられた。

 

合併すれば日本国内の粗鋼生産量も4割に達する巨大鉄鋼メーカーとなり、世界ランキングもかつて日本が技術援助した中国の宝鋼集団や韓国のポスコをしのぎ世界第2位になる。

 

鉄は国の土台作りのために必要不可欠の素材であり、国の鉄鋼消費量の拡大が国の発展のバロメーターとなる。鉄鋼消費量の拡大がその国の鉄鋼産業を拡大させ、やがて規模の力で先進技術を持つ先進国の企業を追い抜くということ繰り返してきた。

 

躍進するインド企業
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1980年代、企業はコスト削減し、国際競争力に打ち勝つため、人件費の安い韓国や中国に汎用製品の工場進出をすべきであり、国内では研究と高機能製品作りに力を注ぐことで実現すべきと経営者や学者や経済評論家はこぞって主張した。

 

粗鋼やエチレンやDRAM(読み書き自由な半導体メモリ)のような汎用製品は大量販売で利益を稼ぐが高機能材料(耐熱・低温・高強度材料や技術集約材料など)は少量販売でも利益を見込めるという想定だった。しかし、1990年のバブル崩壊で一定量の販売を確保できず、汎用製品の大量販売で力をつけてきた新興国メーカーに日本の企業の屋台骨は揺さぶられる結果となった。

 

鉄鋼や石油化学半導体のような素材メーカーは国際競争力がなければ縮小まぬがれず、原料価格交渉をリードし、国際競争力を優位に保つためには世界の販売シェア確保が重要である。

 

2009年の世界ランキングではヨーロッパにあるミッタル氏の「アセローロール・ミッタル」は世界1位だが、シェアはヨーロッパの経済成長の減少で大幅に落としている。日本の企業も経済停滞がつづき、連続して国内生産量が減少している。

 

今回の新日鉄と住金の合併で企業ランキング2位なるが、かつて、経済力と技術力で繁栄を誇った欧米先進企業が日本企業の台頭に遅れをとったように、日本企業が完全に新興国企業に後塵を拝することにならないよう祈りたい。