イランの国民感情を害しているハリウッド映画「300(スリーハンドレッド)」

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元会社の同期と6月7日に温泉に行くことになり、「つくばエクスプレス」「流山おおたかの森」駅そばの「おおたかの森SC」の中にあるJTBに行き、申込金を払い、群馬県伊香保温泉旅館を予約しました。

 

終了後、センター内をウインドウショッピングしながら歩き、紀伊国屋で雑誌や本をみて、シネコン「TOHOシネマズ流山おおたかの森」に行きました。

 

入り口に5月31日の「300(スリーハンドレッド)試写会」にペアご招待というポスターが貼ってあり、応募締め切りが5月20日までとありましたのですぐ、応募券に住所・氏名を記入し応募箱に入れました。

 

ハリウッド映画「300(スリーハンドレッド)」は3月9日に全米公開されましたが一流の俳優は出演しておらず、制作費は6500万ドル(78億円)と比較的安い予算で製作しましたが最初の一週間で興行収入7000万ドルを突破して大きな話題になっています。

 

内容は紀元前480年、100万の大軍を率い征服を企てるペルシャ軍(現在のイラン)に対し、国を守るために立ち上がったスパルタ「レオニダス王」と精鋭の兵士「300人」の戦いを描いたものです。

 

史実に基づいて作られてはいるものの大分誇張して製作され、CGを駆使しているため戦闘ゲームの豪華版といった感じでアメリカ国内の批評家や常識派・知性派にとっては評価は思わしくないようですがイラクやイランに振り回されイラついている右派の国民やアメリカ軍兵士の間では大人気を博しているそうです。(参考1.)

 

一方、イランでは映画「300」は西欧を恐怖で支配しようとする邪悪な勢力としてイラン人を描いており、それに対し、スパルタの兵士は自由への愛を持つ気高い白人として描いている。これはイラン人を侮辱する意図をもって作られた映画であると激しい怒りを表しています。

 

イランの映画監督は次のようにイランの新聞に載せています。(参考2.)

 

我々イラン人は矢を射る前にメディアや映画を通してメッセージを送ってくる軍隊と対峙しているのである。これは非常に驚嘆すべき事である。

 

彼らはイラン人を恐れている。彼らは今日、単にイスラムに用があるのではなく、イラン人に用があるのであり、「西欧のイスラム世界に対する敵意は」新たな段階に入ったのである。

 

アメリカは表現の自由の国であり、大概の人は「300(スリーハンドレッド)」は荒唐無稽の娯楽映画と捉えており、映画関係者は興行収入を挙げたいためインターネットなどメディアを使って宣伝活動をします。

 

しかし、そうでない中東諸国はそのまま西欧のイスラム世界やイスラム教に対する挑戦と捉えてしまうと思われます。

 

文化的に不利なイランの人の気持ちを私は分かるような気がします。中国は今年、日本軍による南京虐殺70周年を記念して、南京虐殺をテーマにした映画を3本製作しています。

 

日本と中国の噛み合わない感情と行為について【南京事件の映画3作が計画中】

yaseta.hateblo.jp

その中のひとつに中国側の脚本で「日本軍による南京虐殺」をテーマにし、ハリウッドが映画化したものがあります。

 

アメリカは表現の自由の国ですのでハリウッドは依頼があれば受け映画を製作します。しかし、アメリカや日本と違い言論の自由が制限されている国である中国政府の意向が入っており、また、誇張されている脚本に基づいてアメリカのハリウッドが製作したことが問題と思います。

 

映画「300」と同様に内容に関係なく、天下のハリウッド映画関係者が興行収益をあげるため、映画の宣伝を始めたら誤った方向で世界中の人が認識してしまうという危機感がつのります。

 

日本の有識者は抗議をしているようですが、日本では報道が余りされてなく関心は低いようです。確かに日本は南京虐殺を引き起こしましたが戦後は反省し償いは現在も続けています。

 

しかし、中国は虐殺者数の根拠となる資料の提出なしで水増して公表している上、映画やメディアを通して日本は悪逆非道な国であるといわんばかりに一方的にメッセージを送られるということが、今回の映画「300」のメッセージに対するイラン人の思いと重なるように思えてくるのです。

 

【参考】
1.日本版Newsweek、2007.4.18号
2.Iran紙、2007.4.17号(インターネットより)