日本版記録映画「東京裁判」と公開中の中国版映画「東京裁判」を比較してみたいです。

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本屋で2006.10.12号「クーリエ・ジャポン」の表誌の中国版『東京裁判』という見出しに興味を持ち、中を見たところ、中国が製作した映画「東京裁判」が今年の9月1日に中国全土で公開され、現在、興行成績はトップ3にランクインしているという記事でした。

7月23日のブログ記事「日本と中国の噛み合わない感情と行為について」の中に、南京事件を取り上げた映画3作が中国で計画されており、南京事件70周年の2007年に公開されると書きましたが、中国の国自身にゆとりでてきたのか、日本の戦争責任を国民全体で再認識しようとしているように思います。

ブログ_日本と中国の噛み合わない感情と行為について【南京事件の映画3作が計画中】

yaseta.hateblo.jp


中国版映画【東京裁判】について

監督の高群書 氏はこの映画の最大の目的を「歴史の真実を伝えることにある」として、内容は中国に関する部分をベースに(1)日中戦争の発端(盧溝橋事件)(2)南京大虐殺(3)戦犯とされた土肥原賢二板垣征四郎東条英機の審理(4)法定外での駆け引きなどを描いたと言っています。

映画のテーマは(1)裁判(2)歴史資料の回顧(3)フィクションを交えた当時の市民の生活の部分の中に中国の新聞「大公報」の記者「肖南」と日本女性「和田芳子」と敗戦の事実を受け入れられない国粋主義者「北野雄」の3人の心の動きを軸に生き様の三つを描いており、偏狭な報復意識であの戦争を扱うつもりはありませんと言っています。

しかし、現在の中国は人権的、言論の自由が制限されており、真実でも中国の不利になるような発言、表現は検閲が入りますたとえ、この東京裁判は史実に基づいて作られたと言ってますが、フィクション部分がどこまで公平性が保っているか気になります。

その国の文化度が国際的なレベルに達するには先ず、人権の保護、言論の自由の実施しなければなりません。これがない限り、この種の映画を外国に納得させるのは難しいと思います。

アメリカの国防総省(ペンタゴン)が第二次世界大戦の記録として撮影・収録し秘蔵していたものを基にして日本の小林正樹監督が1983年に製作した記録映画「東京裁判」とこの中国版「東京裁判」をセットにして日本で公開して見ると偏っているかいないか分かるかもしれません。

ちなみに私は中国版「東京裁判」はもちろん、小林正樹監督の記録映画「東京裁判」も見ていません。とりあえず、後者を鑑賞しようと思います。