映画「武士の一分」の決闘シーンをマンガで描いてみました。

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藤沢周平の小説「盲目剣谺返し(こだまがえし)」が山本洋次監督により「武士の一分」というタイトルで映画化され、この12月1日より公開されるということをテレビの予告で知りました。

既にHPが公開されており、ブログも10月3日から公開されております。

以前、NHKテレビで見た「蝉しぐれ」は好評を博し、今年、映画化にもなり、藤沢周平の小説は「たそがれ清兵衛」、「隠し剣鬼の爪」、「蝉しぐれ」が映画化されました

ブログ 映画「隠し剣鬼の爪」について

yaseta.hateblo.jp

蝉しぐれ」は下級武士の家に生まれ、逆賊となった武士と江戸屋敷へ奉公に行き藩主の側室となった幼馴染とのかなわぬ恋の物語ということで、夫婦の愛情を描いた前者二作品と違うと思っていましたが三作品とも山田洋次監督が手がけたと思っていました。

しかし、山田洋次監督の藤沢周平三部作の締めくくりが今回の映画「武士の一分」であるというHPの解説を読んで納得しました。

映画「蝉しぐれ」はNHKテレビドラマの蝉しぐれの脚本を作った黒土三男氏が監督となり、製作したものだったのです。

山田洋次監督の三部作はともに夫婦の愛情を根底においた藤沢周平の原作を選び、貧しいけれど誠実さと誇りを失わない下級武士とその妻のささやかな幸せを守ろうとする姿を描き、その最後の砦である家族、誇りが傷つけられたとき、猛然と反撃するという共通した武士の生き方を現代の我々に伝えようとしているようです。

小説も映画も共通する点は山形県庄内地方の小さな架空の藩「海坂藩(うなさかはん)」を舞台に下級武士といえどもいづれも剣においては人は知らない剣の奥義を持つ一流の使い手です。

そして、クライマックスでは必ず凄絶な戦いを展開し、最初で最後の秘剣を使って相手を倒すという、ここが藤沢周平の作品の見所のひとつでもあるわけです。

今回の映画の原作では仇敵島村が盲目の新之丞に対し、姑息な手段で仕掛けてきますが、「ともに死するを以って、心と為す。勝ちはその中に在り。」という秘剣の極意「こだま返し」を使い、打ちはたします。

そして、加世の無欲で夫を気遣う心が再び夫の愛を取り戻す最後の場面では私もつい涙してしまい、快い感動を覚えました。

今回の映画「武士の一分」もきっと、前の映画の2作品と同様、小説とは違う迫力と感動そして下級武士の誇りと寂しさなど味わことができると思われ、公開を期待したいと思います。