NHK大河ドラマ「風林火山」を見て

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12月6日 NHK大河ドラマ風林火山」が終了しました。

 

武田信玄の軍師「山本勘助」を主人公にした井上靖の小説「風林火山」をテレビドラマ化したものです。小説は読んでいないので「山本勘助」の人物像についてはほとんど知りませんので、次はどうなるかと興味津々ドラマの展開を見ていました。

 

軍師と言えば戦争を勝利に導くため、知略・謀略を用い敵を欺き、攪乱させ、自分は直接、手をかけないが、人を殺し、敵を滅ぼす戦略・戦術を編み出します。普通に考えると、山本勘助は頭脳明晰にして心は鬼のように冷たい人であると思ってしまいますが、このドラマでは正直で情熱を持つ魅力的な人物として描かれています。

 

そして自分の夢である敬愛する武田信玄の天下統一を実現させるため、自分のすべてを投げ出し、ただ一途に夢の実現ため奮闘します。

 

私は第九代藩主「上杉鷹山」が開いた藩校「興譲館」の流れくむ「米沢興譲館高校」を卒業したことや義を重んじ、清廉潔白で広く知られていることもあり、上杉謙信をひいき目に見ていました。

 

明治の政治家「尾崎行雄」が評論した「上杉謙信 

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しかし、今回のドラマでは主人公山本勘助の武田側と同じ視点に立ち、すっかり武田側を応援していました。

 

いよいよ、ドラマのクライマックス第四回川中島の戦いが始まりました。

 

武田軍は二万の兵を二手に分け、一方を夜の間に移動させ、夜明けとともに妻女山に陣を敷く上杉軍の背後を攻撃させます。本陣は川中島の八幡原で待ち受け、はさみうちにする「きつつきの戦法」を決行します。

 

しかし、上杉軍の軍師「宇佐美定満」に見破られます。上杉軍は武田軍が妻女山に登ってくる前に、深い霧を利用して山を下り、千曲川を渡り、八幡原に「車懸かりの陣」を敷き、霧の晴れるのを待ちます。

 

霧の中を上杉軍一万三千人の将兵千曲川を渡る軍事行動を「鞭声粛々(べんせいしゅくしゅく)夜河を過(わた)る」と歌って有名な瀬山陽の漢詩川中島」があります。

 

鞭声粛々(べんせいしゅくしゅく) 夜河を過(わた)る
暁あかつきに見る 千兵の大牙(たいが)を擁(よう)するを
遺恨(いこん)十年 一剣を磨みがき
流星光底(りゅうせいこうてい)長蛇(ちょうだ)を逸(いっ)す

 

夜が明け霧が晴れるとともに、勘助は前方に上杉の大軍が現れ、きつつきの戦法が見破られたのに気付きました。上杉謙信は信玄の本陣に乗り込み、信玄に向かって切りつけますが信玄は軍配で受け止めます。

 

謙信と信玄の一騎討ちの絵

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劣勢の武田軍は奇襲隊が戻ってくるまで持ちこたえますが、信玄の弟「武田信繁」が討ち死にします。そして遂に「山本勘助」も信玄の天下統一の夢半ばで最後をとげます。

 

山本勘助がどのように武田家に仕官して、軍師となり、歴史に残る功績をあげ、その後どうなったかドラマを通して楽しみながら知ることができました。

 

2008年NHK大河ドラマ篤姫」の後の2009年には第二代上杉藩主「上杉景勝」の重臣直江兼続(なおえ かねつぐ)」を主人公にしたNHK大河ドラマが始まるそうです。楽しみしています。

 

藤沢周平著「密謀」を読んで

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武田信玄も戦国時代の名武将として多くの功績を残し、小説やドラマになっており、知られています。特に、ドラマの冒頭に出てくる「風林火山」は有名です。

 

風林火山
疾(はや)きこと風の如く
徐(しずか)なること林の如く
侵掠(しんりゃく)すること火の如く
動かざること山の如し

 

また、会社に入った頃(1969年~)、忘年会や飲み会で良く先輩や同僚が「武田節」を歌い、私も覚えてその歌詞のを思い出しています。

 

【武田節】
甲斐の山々 陽に映えて
われ出陣に うれいなし
おのおの馬は 飼いたるや
妻子(つまこ)につつが あらざるや
あらざるや

 

祖霊(それい)まします この山河
敵にふませて なるものか
人は石垣 人は城
情けは味方 仇(あだ)は敵
仇は敵

 

つつじケ崎の 月さやか
うたげを尽くせ 明日よりは
おのおの京を めざしつつ
雲と興(おこ)れや 武田武士
武田武士