1月の絵「平家物語 平清盛吾身の栄華」

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2010年のマンガ絵12ヵ月シリーズは「平家物語」を題材にして絵を描こうと思います。

 

平家物語と言えば、「祇園精舎の鐘の声・・・・・」で始まる文章はあまりにも有名です。(この文章の終わりに平家物語祇園精舎」の冒頭部分の現代語訳を載せました。)

 

この文章を読みながら絵を描いていた1月8日の読売新聞のコラム、編集手帳民主党小沢一郎幹事長の資金管理団体の土地購入を巡る問題について述べていました。

 

東京地検は資金の調達に問題がないか解明しているが「小沢氏は詳細を語ろうとしない」とコラムで批判しています。

 

皇帝をしのぐ権勢を誇った秦の高官、趙高(ちょうこう)が始皇帝の死後、後継した年少の皇帝に「馬です」と言って鹿を献上したが周りの重臣たちは趙高の権勢を恐れ、口ぐちに「馬です」と言ったことを引き合いに出し、誠実に語ってない、周りは鹿にみえるが政治資金をすべて公開した、馬であると言っており、党内からは権勢を恐れるのか疑問の声が上がってないと小沢幹事長を趙高にたとえています。

 

編集手帳を書いた読売新聞の編集者は平家物語祇園精舎の下りを念頭に入れてこのコラムを書いたとすれば言い過ぎのような気がします。

 

なぜなら、趙高(ちょうこう)は人の諫言にも従わず、天下の乱れを悟らず、民衆の憂いを顧みなかったため滅びてしまったとありますが小沢幹事長はそこまで驕り高ぶっているわけでもなく、やり方に違いはあるが国を良くしようとしていることは間違いないからです。

 

1月13日にようやく、1月の絵「平家物語 清盛吾身の栄華」を作成したのでブログに載せました。

 

平家物語祇園精舎」の冒頭部分の現代語訳【参考1】

 

祇園精舎の鐘の音は、諸行無常の響きをたてる。
釈迦入滅のときに、白色に変じたという沙羅双樹の花の色は、盛者必衰の道理を表している。
驕り(おごり)高ぶった人も、末永く驕りにふける事はできない、ただ春の夜の夢のようにはかないものである。

 

勇猛な者も遂には滅びてしまう、全く風の前の塵(ちり)と同じである。
遠く外国の例を捜してみると秦の趙高(ちょうこう)、漢の王莽(おうもう)、
梁(りょう)の朱异(しゅい)、唐の安禄山(あんろくさん)、
これらの人々は皆、旧主先皇の政治にも従わず、楽しみを極め、諫言も心にとめて聞き入れることもなく、天下の乱れる事も悟らないで、民衆の嘆き憂いを顧みなかったので、末長く栄華を続けることなしに滅びてしまった者どもである。

 

近く本朝をうかがうに、承平の平将門、天慶(てんきょう)の藤原純友(すみとも)、
康和の源義親(ぎしん)、平治の藤原信頼
これらの人々は驕り高ぶる心も、猛悪な事も、皆それぞれにはなはだしかったが、やはりまもなく滅びてしまった者どもである。

 

ごく最近では、六波羅の入道前太政大臣朝臣清盛公と申した人の驕り高ぶり、横暴なありさまを伝聞すると、なんとも想像もできず十分言い表わせないほどである。(以下省略)

 

【参考】
1.「日本古典文学全集45 平家物語1」、市古 貞次、(株)小学館、1976年11月30日
2.「平家物語図典」、五味 文彦、(株)小学館、2005年4月1日
3.「別冊 太陽 平家物語絵巻」、(株)平凡社、1975年11月25日
4.「原色 日本の美術8 絵巻物」、秋山光和、(株)小学館、1977年9月1日