カラー画像表示のしくみについて

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OB会のパソコン同好会を一年半前に休会届けを出していましたが7月24日例会のテーマ担当者が都合が悪くなったということで、代わりに私が「画像処理の超概略」を担当することにしました。

画像処理の基本的な知識がないため、勉強するのにいい機会と思い、まずは初歩の知識である色の三要素や光の三原色からまとめ始めました。今回「カラー画像表示のしくみ」の超概略を載せます。

1.光の三原色(RGB)
原色とは全ての色の元になる色の事を言います。原色である赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の三つの色(光)が混ざりあうことで、ほぼすべての色が再現でき、この3つの色を「光の三原色」といいます。カラーテレビや、コンピュータのカラーディスプレイのこの三原色フィルターが利用されています。

2.液晶パネル
光の三原色の理論を応用して作られた液晶パネルによりにカラー映像を映し出します。液晶パネルは①偏光板、②TFT、③液晶、④カラーフィルター、⑤反射板、⑥偏光板から構成されます。

①と②特定の方向の光線だけを通す偏光板を組み合わせ、液晶の状態により、変化した光線を遮断したり透過して明暗状態を作ります。
②TFTはトランジスタを使って情報の電気信号を電圧に変える仕組みになっています。
③TFTの電圧の変化で液晶分子の配列が変わり、光線の透過量が変化します。
④モノクロ画像はカラーフィルターを透過してカラー画像になります。
②TFTが受けた情報の電気信号を電圧に変え、③液晶に伝えると液晶が変化します。

バックライトの光線は①偏光板を通り、変化した③液晶により調節され、画像になります。そしてカラーフィルターを透過してカラー画像になります。

3.画素と解像度について
デジタル画像を構成する最小の単位である「点」を画素(ドット、ピクセル)といいます。

画素はモノクロであれば白と黒で1ビットあれば表現できます。しかし、カラーの場合、光の三原色であるR、G、B(赤、緑、青)が必要になり、RGBそれぞれ1ビットの組み合わせで色を表現させるため、画素は最低3ビットが必要です。ただし、色は2の3乗の8種類の光の三原色の円の重なりあった色しか表現できません。

例、RGB方式(3bit)、(R=0、G=0、B=0 → 黒)、(R=0、G=0、B=1 → 青)、(R=0、G=1、B=0 → 緑)、(R=0、G=1、B=1 → シアン(水色))、(R=1、G=0、B=0 → 赤)、(R=1、G=0、B=1 → マゼンダ(赤紫))、(R=1、G=1、B=0 → 黄)、(R=1、G=1、B=1 → 白)

画素を24ビットすなわちRGBをそれぞれ8ビットにすると、R(赤)で2の8乗=256種類の色が表現でき、G(緑)、B(青)でも同様で256×256×256=1677万色の色を表現することができます。これがフルカラーといわれます。

解像度はモニターの場合、画面に表示するドット数で表します。モニターの横が1024ドット、縦が768ドットであれば、解像度は1024×768ドットとなります。

プリンタやスキャナの場合は、1インチあたりのドット数で表され、単位としてdpi(dots per inch)が用いられます。


【参考】
1.色の三要素
色を表すもとになるものとして三つの要素(属性)あります。
①色相 : 色合い、色味、赤や青といった色合い。Hue(色相)
②明度 : 明るさ、明度をあげると白っぽくなり、明度を落とすと暗くなる。Brightness( 明度)
③彩度 : 鮮やかさ、彩度の高い赤はより赤く、彩度の低い赤は鮮やかさが抜けグレーに近づく。Saturation(彩度)
重要度は「色相」、「明度」、「彩度」の順になります。まず、「色合い」がきれいにでていない画像は補正が難しくなります。「色合い」が良ければ、次は「明るさ」が重要で、最後は「色の鮮やかさ」になります。「彩度」を犠牲にしても、「明度」を保ち、「明度」を犠牲にしても「色相」を保ちます。

2.モノクロ画像とカラー画像の表現
色のない白黒画像(モノクロ画像)は「明度」と「彩度」の組み合わせである「色調(諧調(トーン))」で表現されます。グレーレベルの「諧調差」で表現されるモノクロ画像に「色相」を加えた画像がカラー画像になります。
①色調 : 諧調(トーン)、明度と彩度の組み合わせ

3.色材の三原色(CMY)
印刷物の色はインクの色材を混ぜ合わせ作られ、光の三原色ではできません。そこで、原色である黄色(Yellow)、赤紫(Magenta)、青緑(Cyan)を混ぜ合わせ作ります。この三つの色を「色材の三原色」といいます。カラー写真や印刷物にこの三原色がしようされています。ただし、この三原色では完全な黒でなく少し赤みがかったグレーになるので、プリンタや印刷機では黒(blacK)を混ぜ色のバランスをとっています。実際の利用はCMY+Kとなる

【参考文献】
1.「新パソコン入門」岩波新書石田晴久、(株)岩波書店、2000年11月
2.「Photoshop Elements 2.0 速攻レッスン」、はせべれいこ、工学社、2002年11月
3.「これがディスプレイの全貌だ!」、泉谷渉、(株)かんき出版、2005年4月
4.「Photoshopデジタルフォト基礎レッスン」、(株)シータス、技術評論社、2006年6月