映画「300(スリーハンドレッド)」を見て

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紀元前480年、100万の大軍を率い征服を企てるペルシャ軍(現在のイラン)とわずか300人の兵士で立ち向かったスパルタ「レオニダス王」の戦いを描いたハリウッド映画「300(スリーハンドレッド)」を見ました。

 

この映画は邪悪な勢力としてイラン人を描いており、それに対し、西欧の正義の白人としてスパルタ人描いており、イラン人を侮辱しているとイラン国民は激しい怒りを表していると伝えられました。

 

この映画を見た次の日の6月28日の読売新聞に「イラン人が描いたアニメ「ペルセポリス」、イラン抗議でバンコク映画祭上映中止」という記事が載りました。

 

イラン出身でフランスに住んでいる女性漫画家マルジャン・サトラピさん(37)が少女時代に体験したイラン革命(1979年)やイラン・イラク戦争(1980~88年)の時代のイラン社会をマンガで描き、映画「ペルセポリス」を製作しました。そして、このアニメ映画が今年の5月、第60回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞しました。

 

今回、タイの映画祭で上映される予定でしたが、イラン政府は「イランに対する誤った印象を与える」と抗議したため、タイの映画祭主催者側はイランと対立を避けるため中止を決めたそうです。

 

イランなど中東諸国はイスラム教という宗教の基に特殊な西洋とは異なる文化・生活・考え方をしており、文化的に不利なため、イランの人の気持ちを私は分かるような気がして、映画の封切り前の5月18日、ブログにイラン国民の心情について同情的な意見を書きました。

 

イランの国民感情を害しているハリウッド映画「300(スリーハンドレッド)」

yaseta.hateblo.jp

しかし、映画「300(スリーハンドレッドレッド)」を見て、確かにハリウッドの一方的表現ですであり、ペルシャ軍を悪者扱いにしているが、あくまで商業として、娯楽として割り切って考えても良いように思えてきました。

 

また、コンピュータグラフィックを使ったオーバーなアクションもありましたが、100万の軍勢を入り口の狭い岩山の峡谷に誘導し、局地戦で撃退し、最後は玉砕してしまうところから、荒唐無稽の映画ではなく、大軍にわずかな手勢で挑み玉砕したアラモの砦を思い出し納得しました。

 

アニメ「ペルセポリス」は実際にイラン革命やイランイラク戦争が起こっており、少女の目から見た物語だと解説しています。

 

イラン政府や国民は映画「300(スリーハンドレッドレッド)」といいアニメ映画「ペルセポリス」といい娯楽映画であると割り切ることはできないのでしょうか。