サハリン沖の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の本格実施直前にロシア天然資源監督局から環境対策不備として事業許可停止を求められ、9月18日に、天然資源省から事業許可承認取消しの決定を下されました。
【参考】ロシアは石油・天然ガス開発計画「サハリン2」事業許可取り消しを決定
12月21日、ロイヤル・ダッチ・シェル、三菱商事、三井物産の持っている株式の半分をロシア国営天然ガス独占企業体「ガスプロム」に譲渡することで、事業の継続を許可される見通しがついたという報道がありました。
あの「イラン・ジャパン石油化学建設計画」の二の舞にはならないだけでも、良かったですが、1994年の契約から12年間、開発を進め、最終段階のパイプライン建設工事寸前の2006年9月に天然資源監督局(環境保護を監視している機関か私は分かりませんが)でなく、天然資源を開発すると思われる天然資源省から環境対策不備で中止させられ、そして、今回株式を譲渡することで存続できました。
これはプーチン政権の「天然資源の国家管理」という戦略にうまくのせられたと思いました。
参考【ロシア国営天然ガス生産会社「ガスプロム」】
世界最大の天然ガス生産会社で世界の需要の20%を供給し、世界の天然ガス埋蔵量の25%を所有している。
政府が51%の株を持ち、政府の意向に沿った高級幹部が経営していると言われている。
ロシアのGDP(国内総生産)の8%を稼ぎ、40万人の雇用者を生んでいる巨大企業である。
世界最大の天然ガス生産会社で世界の需要の20%を供給し、世界の天然ガス埋蔵量の25%を所有している。
政府が51%の株を持ち、政府の意向に沿った高級幹部が経営していると言われている。
ロシアのGDP(国内総生産)の8%を稼ぎ、40万人の雇用者を生んでいる巨大企業である。
ガスプロムが生産する天然ガスの3分の1が旧ソ連諸国とヨーロッパにパイプラインで送られている。さらに、ガスプロムはドイツとの合弁でバルト海パイプライン計画を進めており、ドイツや他の西欧諸国に直接、送りこむことができるようになる。
また、ガスプロムはイギリスのガス市場の半分以上をおさえる会社「セントリカ」を買収する検討をしているそうである。
2006年1月ロシアが価格交渉決裂でウクライナにガス供給停止したが、EUは政治的意図があると考え、ロシアのヨーロッパ進出に対する対応策を考えている。