物語ではシオン修道会の総長を歴任したレオナルド・ダ・ビンチは「オプスデイ」の暗殺から「マグダラのマリア」の血を引く女性の命を守るため、絵画「最後の晩餐」に暗号(ダビンチ・コード)を隠し、次世代に継承したとしています。
映画「ダ・ヴィンチ・コード」
「ダ・ヴィンチ・コード」に続き、5月15日封切りとなるダン・ブラウン原作の映画「天使と悪魔」は科学と宗教の対立を描いたものです。
映画はまだ始まっていないので小説「天使と悪魔」のさわりの部分を記述します。
生命誕生の謎を解き明かす有力な手がかりとなる反物質を取り込むことに成功した欧州原子核研究機構(CERN)の聖職者兼研究者が殺され、反物質は何者かに盗まれます。反物質は科学の進歩に寄与し、人類に有益なものを与える天使となる反面、悪用すればわずかな量で原爆の何十倍の威力を発揮する悪魔となります。
小説では人間の生命誕生の領域に入り込み、聖書の教えを否定することになる科学の「神への挑戦」を嫌うローマ・カトリック教会に対し、科学(真理を科学に改訂します。)を追究する者は聖書だろうが教皇だろうが現実に実証された事柄を受け入れないわけにはいきません。ここで、対立が起こります。(宗教は真理を追及していますので訂正します。)
小説では17世紀、ガリレオはじめ多くの科学者はカトリック教会から異端者としての迫害を受けたことにより、ガリレオを中心として科学者や芸術者や賛同する者たちが秘密結社「イルミナティ」を設立し、ローマ・カトリック教会に対し、何年、何十年、何百年かかっても復讐をする誓いたてる設定になっていました。
そして、21世紀の今、反物質を手に入れた「イルミナテイ」はついにその復讐の時が巡ってきたのです。
小説ではバチカンのローマ・カトリック教会の最高権力者の教皇が死去し、新教皇を選ぶ、教皇選挙(コンクラーベ)に、候補者の枢機卿を含む世界中から何十人もの枢機卿がバチカンに集まります。そして、イルミナティの復讐が開始されます。
教皇候補の4人の枢機卿が誘拐され、イルミナティのメンバーである芸術家「ベルニーニ」が製作したバチカン市国の教会や広場の彫像などを舞台に謎の暗号「ガリレオ・コード」を残しながら次々と殺害されていきます。
そして、その謎を解読していくのが前作「ダ・ビンチ・コード」で活躍したお馴染みハーバード大学の宗教象徴学者「ラングドン教授」(映画では:トム・ハンクス)と殺された研究者の養女「ヴィットリア」(映画では:アィエレット・ゾラー)でした。その謎が解き明かれたかと思うとまた新たな謎が浮かびあがり、ラングドン教授も翻弄されます。そして、意外な結末へと向かっていくのです。