2007年より貸本料金に上乗せされる著作権使用料

イメージ 1

森進一が「おふくろさん」にセリフを付け加えて歌っていた問題で、作詞した川内康範氏(87)は、著作権を管理するJASRAC日本音楽著作権協会)に、森進一が今後、自分の作品の歌うこと禁ずる訴えを起こしたことが話題になっています。

JASRACは付け加えたセリフを外したオリジナル版については森真一は歌えるとした見解を出しました。

この件について言えば、著作権の問題より、使用者は付加価値を高め利益向上に貢献したものの信頼関係を損ねた使用者と著作者の感情のもつれが原因のようです。

一方、貸本業者が取り扱う書籍・雑誌の使用料についても著作者と貸本業者間に問題が生じていました。

これまで貸本は零細業であること、貸本は歴史があり社会に定着しているなどで著作権法で「書籍・雑誌の貸与について貸与権の対象としないとする経過措置」(昭和59年施行)を取っており、作者に対する使用料を払わなくても問題はありませんでした。

ところが、ビデオやCDのように大規模にマンガなどのレンタル業が増加して、製作に無関係な第三者が利益を上げるのはおかしいと著作者側からの訴えがあり、2005年1月に改正著作権法が出て「経過措置」が廃止になり、貸本業者は使用料支払う義務がでてきました。

そして、貸本業者側(CDVJ:日本コンパクトディスクビデオレンタル商業組合)と著作権者側(出版物貸与権管理センター)が支払額について協議し、ようやく、2006年12月、基本合意ができたそうです。

貸本業者が著作権者側に支払う使用料(大量購入すれば値引きがある)
(1)定価550円未満------265円/(仕入れ1冊)
(2)定価1000円未満-----480円/(仕入れ1冊)
(3)以後定価500円加算ごと--320円/(仕入れ1冊)追加
(貸与回数に応じて支払う場合には1冊1回毎に定価の8%)
ただし、新刊のレンタル禁止期間1ヶ月

使用料の配分
(1)作家--------- 50%
(2)出版物管理センター-- 30%
(3)出版社-------- 10%
(4)代行店-------- 10%

これまで貸本屋仕入れる本の購入代金だけだったが、今後、使用料を払う必要が生じ、レンタル料金1冊80円とすると本が2~3回転する分が使用料として上乗せされることになります。

その分、利用者が負担することになりますので、マンガはブックオフなどの古本屋やマンガ喫茶などがあり、貸本の利用客離れを引起し、ただでさえ、厳しい零細の貸本屋はますます苦しくなると思われます。