振り込め詐欺事件、勝手にメールを送りつけ、指示に従うと法外な通話料を請求する事件、怪しいホームページにアクセスさせて法外な金額を請求する事件、悪質商法でお金をだまし取る事件、さらに悪質商法の被害者に電話をかけさらに金をだまし取る事件など次から次へと新しい手口でお金をだまし取る悪徳業者の詐欺行為は目にあまるものがあります。
ほとんど毎日のように、詐欺事件のニュースが流れますが、被害者の多くは老人で老後の生活のために蓄積したお金をだましとられ、途方にくれた被害者をみると血も涙もない詐欺業者や詐欺グループに怒りを覚えます。
私も詐欺被害の未遂にあったことを思い出しました。３月終わり頃、医療費請求がなされていないので手続きの話を聞いて下さいというような内容の電話がかかってきました。確定申告で医療費請求を出したばかりなので請求したばかりと答えると一昨年の医療請求の件だと言いだしました。
おかしいなと思いながらも聞いていると健康保険証とか振込先のことを臭わせる話になってきました。
いよいよおかしい、確認しますので電話主の氏名と住所と電話番号を教えてくださいと言ったら電話が切れてしまいました。
いよいよおかしい、確認しますので電話主の氏名と住所と電話番号を教えてくださいと言ったら電話が切れてしまいました。
この電話は幸いなことに稚拙な手口だったので被害にあわずにすみましたが巧妙な新手口が次々と仕掛けられ被害者が増加しているニュースを聞くと１０年後の後期高齢者になったとき、私は被害に遭いそうで不安になりました。
ヒロインとその相棒は悪徳実業家などからあざやか手口の詐欺でお金を巻き上げ、一泡を吹かすというシドニー・シェルダンの小説「明日があるなら（IF TOMORROW COMES）」があります。
ヒロイン「トレーシー・ホイイトニー」は悪徳実業家とその味方の弁護士・裁判官に騙され、刑務所に入れられてしまいます。
そして、出所後、持ち前の美貌と天才的頭脳を駆使して悪徳實業家とその仲間達に復讐をします。悪徳実業家と仲間の弁護士、裁判官は、誰にいつ騙されたかも知らない間に濡れ衣を着せられ、仲間割れと組織上層部を裏切ることになり、破滅してしまいます。
その後は同様にハンサムで好男子の天才詐欺師「ジェフ・スチーブンス」を相棒にしてヒロインは金持ちで鼻持ちならない男や悪徳実業家を予想もしない鮮やかな手口でだまし、証拠をいっさい残さず、金や宝石や絵画などを盗み出すというCON-GAME（Confidence Game 信用詐欺）を始めます。
悪徳実業家達は盗まれてから初めて騙されたことに気がつきますが弱みがあるため、また、証拠がないので犯人を特定できないため、泣き寝入りしてしまいます。
私が一番傑作と思った詐欺はジェフ・スチーブンスが彼の最初の妻の実業家兄弟に仕掛けたコンピュータ詐欺です。ジェフは義兄弟に最新のコンピュータを発明した人を紹介され、製造・販売するための資金集めをしていることを話します。
このコンピュータは電力を使わずに故障することもなく、最低でも十年間は整備も部品交換も必要もないという製品名「ＳＵＣＡＢＡ」という革新的なコンピュータで独占的に製造・販売すれば何百万ドルの金を手にすることができると何気なく話しかけます。当初、義兄弟は話に乗ってきませんでした。
ジェフは義兄達と同席しているとき、その都度、席を立ち義兄弟に見せつけながら、世界的に有名な多国籍企業の社長やコンピュータ研究の第一人者の教授や世界最大の民間投資会社の社長に近づきます。
そして、仕事や会社とは全然関係のない、趣味の話や本のことで質問やクラシックカーの話などを親しく話しかけます。
義兄達はジェフが最新のコンピュータの話をしたと思い込み、趣味の話などをしたというジェフの話を信じません。逆に最新のコンピュータの製造・販売権を欲しくなり、特許ごと抑えるためジェフに権利譲渡をせまり、２５万ドルで契約書にサインをさせました。
ジェフは筋書き通り、２５万ドルを手に行方をくらましてしまいました。
義兄達はこれで大金を手にすることができると期待に震えて包装されたコンピュータを解き、コンピュータ本体の中をみると「そろばん」が入っているだけでした。
義兄は「やられた、ＳＵＣＡＢＡは英語のＡＢＡＣＵＳ（そろばん）の逆つづりじゃないか！」急いで、小切手の支払いをストップしようとしたが既に遅く、ジェフはどこか遠くに行ったあとでした。
これは小説の話ですが、現実でもこのように天才的な頭脳を持つ義賊が現れ、悪徳業者や詐欺グループをだまし、完膚なきまでにやっつけて欲しいものです。
