日本の新外交方針「自由と繁栄の弧」

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12月1日の読売新聞に麻生外相が新外交方針として「自由と繁栄の弧」を打ち出したと伝えました。新聞の内容を要約すると以下になります。

従来の日本外交の基本
1.日米同盟強化
2.中国、韓国、ロシアなど近隣諸国との関係強化

今回、新たに追加された外交方針
3.民主主義、自由、人権、法の支配、市場経済という「普遍的価値」を重視する「価値の外交」を展開する.
(1)カンボジアラオスベトナムへの支援を継続
(2)中央アジアの自立的発展の支援とアフガニスタンの安定化を支援
(3)グルジアウクライナアゼルバイジャンモルドバの安定化を支援
を通して東南アジア、中央アジア、東欧での民主的制度の定着や経済発展を重点的に支援する。

日本が新外交方針を展開しようとする新興民主主義国の国々の外周をつなぐと円弧の線上になることから新方針のキャッチフレーズとして「自由と繁栄の弧」名づけたそうです。

その背景には、中国、韓国、インドがこれらの国々に資源資源外交を強力に推進していることに対し、民主主義と経済開発という付加価値をつけた支援を行い、日本として天然資源を確保したいという思いがあるということです。

既に、40年以上継続している開発途上国向けに経済や社会発展のため草の根的支援の海外青年協力隊、国際協力機構(JICA、旧国際協力事業団)、政府開発援助(ODA)があります。

私の弟は15年以上、JICAで水産関係の技術協力の仕事に携わっており、3年~5年のプロジェクトが終わると次のプロジェクトに参加して東南アジア諸国を転々としております。

現在、バリ島の隣のロンボク島コモドドラゴンの生息地で知られるフローレス島の間にあるスンバワ島で仕事をしています。(2004年にフローレス島で身長1mの小型の原人「フローレス原人」が発見されました。)

今回の外交方針「自由と繁栄の弧」支援はこれまでの海外青年協力隊やJICA、ODAなどと違い、資源確保など国益につなげることが目的です。

かつて、日本は天然資源を求め、東南アジアに武力侵攻したような国際社会を無視した無謀なやり方でなく、戦後、日本が民主主義国家として国を再構築し、繁栄させた実績やノウハウを国際社会に訴えながら天然資源を求めるとういう、目的は同じだが、全く違う平和的、友好的な手段で手に入れるということだと思いました。