イラク戦争不支持が反映されたアメリカ中間選挙

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11月9日読売新聞では11月7日行われた米国の中間選挙で下院の定数435のうち、民主党が230議席以上を獲得し、12年ぶりに過半数議席を奪還したと伝えました。

現在、定数100の上院に移って、共和党は49議席民主党も49議席民主党系無所属2議席含む)で並んでいるそうです。

下院での共和党の敗因はやはり、泥沼状態に陥っているイラク政策に対し、米国民のやりきれなさが批判となって現れたものでした。

核兵器化学兵器を保持して、テロリストに拡散しかねない状況を作っているイラクの独裁者フセイン大統領を打倒し、イラク民主化を目的に2003年3月19日に開戦を宣言しました。

電撃的作戦が成功し、5月1日に『戦闘終結宣言』を発表して、イラク戦争終結したかに見えました。

しかし、フセイン政権時代のバース党員や軍の残党によりイラク各地で武力抵抗や爆弾テロが起こり、それにイスラム原理主義テロ組織アルカイダからの資金、武器、戦闘員が加わり、市民や各国のイラク駐留軍に犠牲者が発生しています。

2004年6月の暫定政権発足後もテロは続き、戦闘終結宣言後、2年目半になりますが2006年11月現在も治安が回復していません。

開戦以来、米兵の死者は2,800人を超え、2006年10月だけで米兵の死者数は100人とここ1年間で最悪になりました。

しかも、死者の多くは戦闘終結宣言後から現在までの期間で起こっており、治安は回復していないため、約14万人のアメリカ駐留軍撤退の目処が立っていない状況と言われています。

選挙結果にはこれ以上、若者の死者を出したくないという米国民の切実な思いが込められていると思います。

共和党ブッシュ政権イラク安定化まで米軍を撤退させないとしていますが、何か解決策を見出し、イラク情勢を好転させないとベトナム戦争と同じ結末になってしまいます。