先日、近くのホームセンターに行ったら、ローマの休日など往年のハリウッド映画のDVDがずらり並び、いずれも980円という安い値段で販売されており、その安さにびっくりしました。
その後、テレビのニュースで知りましたが、値段が安いのは著作権保護期間が消滅したからでした。
現在の日本の著作権法では、著作権保護期間は著作者の「死後50年」、「公表後50年」と定められていますが、ヨーロッパ、アメリカは著作者の「死後70年」、「公表後95年」とされているため、不均衡であるところから、延長の圧力がかかっているそうです。
日本において映画だけは2004年の著作権法改正で、公表後50年から70年に延長されました。
しかし、文化庁は1953年公開の映画について、保護期間の終了した12月31日24時と、改正された法施行の1月1日0時は同時であるという見解を出だしましたが現在、裁判中だそうです。
一方、文学、美術、音楽の著作権については、例えば、戦時中の1944年に亡くなった「星の王子さま」などを書いた「サンテグジュペリ」や、「叫び」などの絵を描いた「ムンク」や「茶色の小瓶」などを作曲したグレンミラーの作品は欧米では権利が続いていますが、日本では、1944年+50年+戦時加算10年で2005年から著作権保護期間が消滅しました。
(戦時加算:第二次大戦中日本は敵対国の著作権を保護しなかった理由でその間の10年を保護期間として加えなければならない。)
日本では、これから続々と著作権保護期間が消滅した作品がでてきます。それに対し、欧米や日本国内の関係者から、保護期間延長の要請が挙がっているわけです。
一方、保護期間が終わった著作物は誰でも自由に出版したり公開したりできるとして利用が増えています。
今後、著作者と利用者の双方の利益を考えそして欧米諸国の要求にどう答えるのか、解決に向けて検討が始まったようです。