将来の幹部候補生が毎晩自省自戒した五ケ条の反省事項「五省」

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                   昭和7年4月24日海軍兵学校校長 松下少将

 

1.至誠に悖(もと)るなかりしか
(真心に反する点はなかったか)

 

1.言行に恥ずるなかりしか
(言行不一致な点はなかったか)

 

1.気力に欠くるなかりしか
(精神力は十分だったか)

 

1.努力に憾(うら)みなかりしか
(十分に努力したか)

 

1.不精(ぶしょう)に亘(わた)るなかりしか
(最後まで十分に取り組んだか)

 

アナポリス海軍兵学校で利用されている「五省

 

Five Reflections Japnease Imperial Naval Acadmy(Transated by Yasunori Matsui)

 

1.Hast thou not gone against sincerity?

 

1.Hast thou not felt ashamed of thy words and deeds?

 

1.Hast thou not lacked vigor?

 

1.Hast thou exerted all possible efforts?

 

1.Hast thou not become slothful?

 

私の座右の銘の一つに「五省」がありますが、会社の先輩が江田島を見学した時、感銘を受けて手に入れたものを10数年前にコピーしていただいたものです。

 

コピーした資料をみると「五省」は明治天皇が明治15年1月15日「陸海軍軍人に賜はりたる勅諭」を下賜されてから50周年にあたる記念祝賀会の後、昭和7年4月22日に海軍兵学校校長 松下元少将が作成されたものでした。

 

松下校長は将来、海軍将校となるべき兵学校の生徒のため、日々の各自の行為を反省させて明日の修養に備えさせるために、五ヵ条の反省事項を考え出し、これを日々実施させたのでした。

 

毎晩、自習終了5分前のラッパが鳴り響くと、当番生徒が「五省」を問いかけ、生徒は、瞑目して、その心の中で、その問に答えながら、今日一日を自省自戒しました。

 

昭和45年ごろ江田島を見学した米第7艦隊司令官、ウィリアム・マック中将(のち海軍兵学校長)は五省に感銘を受けアナポリス海軍兵学校でも、英訳版「五省」が利用されているそうです。
英訳は松井康矩氏(76)がされたそうです。

 

大きな意味で日本の軍国主義は間違っていましたが、中には現在でも世界に通用する優れたものがあることを再認識しました。