小説「ゲームの達人」の話

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来月(2006年6月)10日、家内の甥が結婚するということで、招待状が来きましたので行くことにしています。
思えば、1976年(昭和50年)、私が結婚することになり、兄の宝石会社の店に指輪を買いに行ったとき、世間では「結婚指輪は給料の3ヶ月分」言われており、何の疑問もなく、購入しました。

 

早稲田大学ワンダーフォーゲル部の木村和巨氏が中心になり、ワンゲル部後輩4人で宝石輸入加工販売会社「三貴」を設立しました。4人より1年後輩で早稲田大学ワンゲル部の主将だった兄は創立後、アルバイトで入り、その1年後に正式に入社しました。)(*1)


しかし、その後、知りましたが、結婚指輪は給料の3ヶ月分とういう宣伝文句はあの世界最大のダイアモンドシンジケートを持つ「デ・ビアス社」の戦略だそうで、1960年代に宣伝を始め、日本に一般に根づくまで10年かかったそうです。
値引きしてもらいましたが、宝石会社と関係ない私にとっては、うまく戦略に乗せられたようで、あまり良い気持ちがしませんでした。また、結婚式も世間並みに親戚知人友人一緒に披露宴をしましたが、費用もそれなりに、かかりました。あのころは経済成長が続いていたから、これで良かったのでしょう。

最近は、時代も変わり、経済は停滞しており、価値観も変わって来ています。それぞれの価値観に合わせ、無駄な費用をかけない結婚式をする、これを社会全体が認識するようになってきております。
どうなるかわかりませんが、いずれ、結婚すると思われる息子2人抱えている私にとっては良い傾向であると思います。

ダイヤモンドといえば、昔、読んだ本、シドニーシェルダンの「ゲームの達人」を思い出しました。
この小説はフィクションで、時代がちょっとずれますが、デビアス社を創設したセシルローズの時代の頃で、主人公ジミーマグレガーはセシルローズと同じイギリスで、舞台も同じです。事業経営も同様で、激しい買収劇を繰り返し巨大な帝国を築きあげていきます。この小説の骨組みはセシルローズをモデル(参考)にして描いているのではないかと思いました。

主人公ジミーマグレガーは1883年、18歳でスコットランドからダイアモンドを掘り当て一攫千金を夢見て、南アフリカのオレンジ川の上流、ヴァール川沿岸のトランスバール地方の町クリップドリフトにやって来ました。

実際の歴史では、1867年にオレンジ自由国のヴァール川上流キンバリーでダイヤモンド鉱脈が発見され、1868年近くのトランスバール南部で豊富な金鉱が発見されました。最終的に手に入れたのがイギリスのセシル・ローズでした。

小説のジミーマグレガーは苦労して手に入れたダイヤをオランダ人ヴァンダミアにだまし打ちにあい、瀕死の重傷をおったうえ、横取りされてしまいます。

彼は復讐を決意し、南アフリカの北の大西洋の人を寄せ付けない荒れ狂う波と岩場で囲まれた海岸とすぐ広がるナミブ砂漠にあるヴァンダミアのダイアモンド地域に潜入してダイヤモンドを手に入れます。

そして、事業を始め、次々と鉱山会社を買収し拡大し、ついにはヴァンダミアを追い詰めていきます。そして、復讐と欲望がからみあう、2代に渡る壮大なドラマが展開していきます。

とにかく面白く、2日で読みましたが寝不足になってしまいました。これをきっかけに、しばらくはシドニーシェルダンの小説ばかり読み、気がついたら、日本の小説から外国の探偵、スパイ、法廷小説を読むほうが多くなりました。

(*1)【参考】
宝石の輸入・加工・小売り会社「三貴」(ジュエリーマキ・じゅわいよ・くちゅーるマキなどの子会社を持つ)は1965年(昭和40年)、早稲田大学大学院商学研究科学生だった木村和巨氏が創設した会社で、高度成長の波に乗り、大きくなり、一時期、1万2000人の会社になりました。しかし、バブル崩壊後、業績が悪化し、2009年、2014年2度の民事再生法を適用後、経営破綻し、ブランド、宝石小売業は買収されました。

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三貴 - Wikipedia