12月22日の読売新聞でカスピ海に接する中央アジアのトルクメニスタンのニアゾフ大統領が急死したと伝えられました。最初、トルクメニスタンという国がどこにあり、どんな国であるそしてニアゾフ大統領も知りませんでした。
地図を広げ、調べているうち、つい1週間前に読んだクーリエ・ジャポンのトルクメスタンで起きている事件の記事を思い出しました。
2001年6月にトルクメニスタンの独裁大統領ニアゾフが前代未聞の法律「外国人男性がこの国の女性と結婚する場合、5万ドルまたは5000万スム(550万円)の納税を義務とする「国家結納金法」を制定して以来、若い女性が隣の国に逃げ込んだり、亡命する事件が頻発しているという記事でした。
さらに条件があり、充分な財力を示すために住宅を購入し、最低でも1年間は滞在すること。健康であることを証明する書類を提出することでした。
花婿はウズベク人でしたので5000万スムの結婚税を課せられましたが、労働者の平均給料は20ドル~30ドル(2万~3万スム、2,200円~3,300円)ですので、このような巨額なお金を払えるはずはありません。
そんなときにウズベキスタンとトルクメニスタンの関係が悪化し、国境に鉄条網がはられ、国境警備隊が配置されてしまいました。タリマルジャンの村の半分を占めるウズベク人と花婿の家族はウズベキスタンに脱出しました。
1年後、花婿は国境警備の兵士を買収してトルクメニスタンから花嫁を脱出させることに成功しました。
この事件のように、元は同じ国だった隣国の花婿は花嫁をその家族から拉致するのではなく、トルクメスタンという国から拉致する事件が頻繁に発生しているそうです。
トルクメニスタンは豊富な天然ガスのもとに経済成長しており、電気、ガスが無料である一方、ニアゾフ大統領の肖像画や銅像を国中に設置し礼賛させたり、自ら著した道徳と歴史の書「魂の書」の学習を義務付け個人崇拝を確立させています。
そして、地方の病院閉鎖や録音音楽や女性の金歯禁止などの権威主義的政策に西側の批判が集まっています。
ニヤゾフ大統領が急死したことで、後継者選びの混乱が生じており、部族間の争いが表面化してくると報道されています。
また、ソ連崩壊により誕生した独立国家共同体(CIS)12カ国を構成しているグルジアやウクライナは天然ガスの価格や政治問題でロシアと亀裂が生じており、共同体としての存在意義も失いかねない状態にあるようです。
トルクメニスタンを含めCISの国々が今後どのように進んでいくか世界が注目しています。
1人当たりのGDP(国内総生産)は2005年で1236ドル(1ドル110円として約13万6000円)。ちなみに日本の1人当たりのGDPは3万4010ドル(約374万円)である。