デールカーネギーコースを受講したこと

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私は会社に入ってから、人前で話すことが多くなりましたが、上がってしまい、思っていることが半分も言えませんでした。

技術職でしたからそれでも、通用してましたが、1975年(昭和50年)工場管理課に異動になって生産管理をやるようになり、そうもいかなくなりました。

会議や顧客への説明で突っ込まれるとその場では適切な説明ができなく、相手を納得させられない場面がしばしば出てきました。後で、冷静に考えると対応策が次々でるのに後の祭りでした。

同じ頃、友達の結婚式のスピーチや司会をやらされましたが、事前に準備し、なんとかやれそうと思ってその場に立ち、何とか話したと思ったら、一番大切な部分が抜けていてがっくりきたりしました。
結局、結婚式の司会を頼まれたのはこれが最初で最後でした。

何とかしないと思い悩んでいたとき、週刊「ダイアモンド」に「効果的な話し方」、「人前ではなせるようになる近道」などを教える「デールカーネギーコース」というトレーニング講座があるという紹介記事が載ってました。
デールカーネギーの「話し方教室」、「人を動かす」、「道は開ける」という本を読んでこれが実践できたらすばらしいとは思いましたが、読みっぱなしでした。

1976年(昭和51)に広島で開催される土曜日の夕方18時から21時までの3時間で14回のデールカーネギーコース(費用10万円)に出席することにしました。

講師は元アメリカ銀行に勤めていた65歳のSさんで、それに2名の卒業生のアシスタントがつきました。会社や郵便局の幹部、企業の研修の一環できている人、個人企業経営者、先生、主婦、サラリーマンと多種多様の20数名でした。                                        

各回ごと、テーマがあり、それに関して、デールカーネギーの本に出てくる内容を説明、解説したあと、講師やアシスタントがサンプルのスピーチを行います。その後、それに習い、全員が60秒から2分のスピーチを行い、受講者が最も感動させた人を多数決で選び、その人はシャープペンシルの賞品がもらえます。

たとえば、第1回のテーマは「勇気を出すこと」で自分の生活と仕事について2分以内に、第2回は「落ち着きと自信の養成」で子供時代心に残っている出来事を2分以内に話せということでした。

スピーチは自分の体験、身に染み付いているものを本音で話すようにしなければなりませんでした。初めはなかなか本音を出し難かったですが、第5回の「殻を破れ」では、俳優がその役になりきって感情を表現するように、受講生もその役になりきり、喜怒哀楽をだし演じなければなりません。これを会社の役員や郵便局の幹部もなりふり構わずやるわけです。

そして回を重ねるうち、本音で話せるようになり、受講生の間に同じ釜の飯を食った仲間のような気持ちになりました。そして、終わるころには話すことに自信がついたような気持になりました。

コースが終了し、実際の場面に立つと講習会でやったようには行いきませんでしたが、ただ、体験したことを熱意を持って話すようにすれば上がらずに話せるようになるということがわかり、数年かかりましたが、ひどく上がることはなくなりました。

その後、転勤になり、10年後の1986年に東京の赤坂で開催されたコースに再び参加しました。

話の下手なのは変わりませんが、人前での話をしても上がらなくなりました。歳をとってくれば自然になおると人はいいますが、デールカーネギーコースに出席したおかげで、早めに克服できたと自分では思っています。