空飛ぶ豪華客船A380と世界最先端技術の結晶B787のシェア争い

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11月13日の日本経済新聞でヨーロッパの航空機メーカーであるエアバス社は中東最大の航空会社であるアラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ航空から世界最大の旅客機エアバス「A380」を11機、中型機エアバス「A350」70機を総額約2兆2000億円(202億ドル)で受注したと伝えていました。

 

エアバス「A380」は総2階建で床面積は従来型機に比べ1.5倍の広さを持つ超大型機です。10月15日にシンガポール航空に引き渡され、シンガポールシドニー間で定期運航が始まりました。

 

約1ヶ月大きなトラブルはなく安全性が確認されたとして11機追加発注したと伝えました。これまで世界最多の47機発注していたので計58機の大量発注になりました。

 

同時に発注したエアバス「A350」は現在開発中の中型機で超大型機「A380」と共にエアバス社の核となる次世代旅客機です。

 

ボーイング社の最新鋭中型旅客機「B787」と受注数を比較するとエアバス「A350」と「A380」の合計が680機で、それに対しボーイング「B787」は549機であると載っていました。

 

しかし、週刊ダイヤモンド10月27日号によると当面のライバル機であるエアバス「A380」の受注176機(今回の11機含めました)に対しボーイング「B787」は710機の受注を受けていると載っていました。

 

いずれにしろ次世代旅客機のシェア獲得合戦が繰り広げられているようです。

 

エアバス「A380」は総2階建の525座席の空飛ぶ豪華客船であるのに対し、ボーイング「B787」は250席の中型機ながら広い客室スペースを確保した世界最先端技術を駆使した旅客機と宣伝されています。

 

ただ、ボーイング「B787」は全日空が最多の50機発注しており、第1号機が2008年5月に納入予定になっていましたが部品調達の遅れなどで12月にずれ込むという報道がありました。

 

10月9日に三菱重工がYS11以来の国産旅客機「MRJ」の事業化決定を来春までに決定するというニュースがありました。この国産旅客機MRJは三菱リージョナルジェット機の略で客席数70~90席タイプの旅客機を開発するそうです。(70から90席クラスは世界の旅客機市場で、今後20年間に5000機の需要が見込めるとしています。)

 

このクラスの旅客機はロシアも中国も計画しており、旅客機市場のシェア争いはこれからも熾烈な競争になると予想されます。