1月中ごろ、雑誌「クーリエ・ジャポン」の表紙に宇宙服を着て立っている男の姿が載っていました。その人は昨年、アメリカ航空業界に参入を果たして話題になったヴァージン・アトランティック航空などを傘下に持つヴァージン・グループ会長でイギリスの冒険家にして企業家のリチャード・ブランソンでした。
リチャード・ブランソンは宇宙旅行会社「ヴァージン・ギャラクティック」をつくり、民間人を宇宙旅行させようとしており、最初の打ち上げは2009年を計画しているということでした。そして、2020年までに5万人を宇宙旅行させる計画だそうです。
高度100km以上の宇宙空間に飛ぶ2時間の旅行代金は20万ドル(約2260万円)と言われています。
2004年航空機設計者バート・ルータンは2600万ドル(約30億円)かけて作った「スペースシップⅠ」は5日間で2度の宇宙区間試験飛行に成功し、2005年リチャード・ブランソンとバート・ルータンは宇宙船の開発・製造会社「スペースシップ・カンパニー」を設立しました。
民間人6人と宇宙飛行士が乗る「スペースシップⅡ」は巨大ジェット機に搭載され、円を描きながら高度15kmまで上昇したところで、切り離され、ロケット噴射し、一気に高度130kmに達します。そして、宇宙空間でスペースシップⅡは惰性飛行に入り、6人の乗客は4分間、シートベルトを外して無重力体験をします。
それから大気圏に向けて飛行を続け、フラップを上げ、グライダーのように滑空しながらゆっくりと大気圏に突入し、そのまま、推進力なしで滑空しながら地表に向かい帰還します。
宇宙旅行を希望する民間人は多く、カルフォルニアのヘッジファンドのボスか、英国のインターネット企業の経営者夫妻か、車椅子の宇宙物理学者スティーブン・ホーキングか、ブランソンたち設立者は最初の乗客に誰を選ぶか検討しているそうです。
一方、宇宙旅行市場に参入しようとしているライバルは次々と現れているといいます。2009年世界初の民間人宇宙旅行が成功すれば世界中の関心を集め、宇宙旅行市場が広がり、さらに安い料金で宇宙旅行を出来る日が実現するかもしれません。