普段、私はあまり、音楽を聴かないですが、たまに1950年~1970年代のアメリカのヒットソングや映画音楽を聞きたくなります。
その中に、私が中学生の頃、手に入れたレコードを聴くことがあります。
それは1960年(昭和35年)、中学3年頃、医者の息子で同級生MF君にもらったアメリカのヒットソングで、日本でもヒットした曲を集めた「想い出のL盤ヒットパレード」というレコードです。
このL盤レコードは戦後間もない1949年(昭和24年)の暗い日本の社会にアメリカの明るいリズム、甘い歌声を流したL盤第1号から10年目の「L盤発売10年記念」として1959年に発売されたものでした。
「ボタンとリボン」、「テキサスの黄色いバラ」、「ケセラセラ」、「家に来なさいよ」などの軽快で明るいリズムにうきうきしましたし、「テネシーワルツ」や「霧のロンドン」を歌うジョー・スタッフォードの甘い声で哀愁漂う歌にうっとりし、ジョニーレイの泣くような声の「雨に歩けば」に酔いました。
(同じころか後か、江利チエミがラジオで「ケセラセラ」、「家に来なさいよ」、「テネシーワルツ」を歌っていたかもしれませんがこのレコードに強烈に影響されて覚えていません。)
始めて、MF君に聴かせてもらい、私があまりに聴きほれたせいか、ものほしそうにしていたか定かではありませんが、お母さんが新しいレコードを買い換えたということで古くなったほうを私にくれたのでした。
家に帰り、また聴こうとポータブル蓄音機にセットして動かしたところ、針とスピーカが重すぎ、回転台は回りますがレコード盤が回りません。
この蓄音機はレコード盤がベークライトのような材質でできたSP盤のレコード用の蓄音機でした。
当時、既にSP盤レコードから塩化ビニール製のL盤に移っており、蓄音機は使用されなくなっていたのでした。
それでも、どうしても聴きたくて、四苦八苦考え、やったことは、針とスピーカがある部分とアームの間にゴムひもを通し、天井から引っ張って、スピーカを軽くしたら聴けるようになりました。
うれしくて初めの数日は毎日のように聴きました。しかし、鉄針で溝を通過するものですからだんだん雑音が多くなりました。
それでも、しばらく、苦にならず聴きました。
その後、同じ曲が入っているテープを購入しましたが、このL盤は捨てがたく、針が飛んだり、雑音が多いですがそれでも聴けるので、今でも、たまに、ステレオで聴いています。