青春は人生のある期間でなく、心の様相を言う。(サミエル・ウルマン)

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【青 春】
              原作    サミエル・ウルマン(1840~1924)
              1945年邦訳 山形大学工学部繊維工学科 
                    非常勤講師    (1952~1957)
                    岡田 義夫    (1891~1968)

青春とは人生のある期間を言うのではなく、心の様相(ようそう)言うのだ。

逞(たくま)しき意志、優れた創造力、炎ゆる情熱、
怯懦(きょうだ)を却ける勇猛心、
安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ。

歳を重ねただけでは人は老いない。
理想を失うときに初めて老いがくる。
歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失う時に精神はしぼむ。

苦悶や狐疑(こぎ)や、不安、恐怖、失望、
こういうものこそ、長年月の如く人を老いさせ、
精気ある魂をも芥(あくた)に帰せしめてしまう。

年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。

曰く、驚異への愛慕心、空にきらめく星晨(しんせい)、
その輝きにも似たる事物や思想に対する欽仰(きんぎょう)、
珠(こと)に処する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心、
人生への歓喜と興味。

信念と共に若く   疑惑と共に老ゆる、
人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる、
希望ある限り若く  失望と共に老い朽ちる。

大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、
そして偉力の霊感を受ける限り、人の若さは失われない。

これらの霊感が絶え、悲嘆の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし、
皮肉の厚氷(あつごおり)がこれを堅くとざすに至れば、
この時にこそ人は全く老いて、神の憐れみを乞うる他はなくなる。
                                以上
【参考】
怯懦(きょうだ):おじけおびえること、却ける(しりぞける):退ける、
芥(あくた):ごみやちり、星晨(せいしん):星座、欽仰(きんぎょう):あおぐ
喜悦(きえつ):よろこび、蔽う(おおう):おおう、殊(こと):ことがら

【サミエル・ウルマンの”青春”の詩について】
どの企業にも社員教育制度というものがあると思いますが、I社にもあり、業務に関する教育のほか、自己開発研修というのがありました。

20年前、私が40代前半の1985年(昭和57年)頃、受けましたが、内容はほとんど覚えていません。
しかし、一つだけ忘れないように、ワープロで打ち、セロケースに入れて、時々、読み返している言葉があります。

それは、サミエル・ウルマンの「青春」という詩です。
当時、I社のT・T専務が昭和55年8月の会社月刊誌にも引用して、自己研修時に紹介されました。そのときの資料を見ますと、翻訳者は「電力の鬼」という異名をとった松永安左ェ門氏ということでした。

平成2年、母校の山形大学創立80周年記念事業の一環として、「青春」の詩碑を建立したと聞きました。

趣意書の概要は以下になります。
1952年(昭和27年)母校で教鞭をとっておられた岡田義夫先生が1945年、この詩に合い、感銘を受け、翻訳して、座右の銘として持っていました。
(1945年12月号の英文誌「リーダーズダイジェスト」にサミュエル・ウルマンの「青春の詩」が進駐軍総司令官マッカーサー元帥の座右の銘として日本に紹介されたということです。)

同じ母校で学長だった親友の森平三郎先生が、1958年(昭和33年)退官して故郷、群馬県桐生市の新聞に “青春とは”という題で随筆を寄稿し、この詩は親友の名訳であると紹介しました。
それが反響を呼び、全国的に知られるようになったそうです。

この詩の名訳を生んだ岡田義夫先生(1891年~1968年)とこれを全国に知らしめた森平三郎先生(1891年~1980年)の遺徳を偲ぶために建てられたということでした。

手元にある松永安左ェ門氏翻訳の詩と岡田先生の翻訳した詩を比べてみましたがほとんど同じでした。
資料が違うかもしれませんが、調べても微妙に違うだけと思い、調べませんでした。

1945年にこの詩を聞いた人は感銘を受け、多くの人が翻訳したそうです。
私はだれがどう訳したかについては、どちらでも良く、この翻訳のおかげですばらしい詩を味わえることが出来たことをお二人に感謝したいと思います。

 

【参考】

1910~1944(明治43~昭和19):官立 米沢高等工業学校

1944~1949(昭和19~昭和24):国立 米沢工業専門学校

1949~    (昭和24~    ):国立 山形大学工学部

 

1.青春の詩碑の「詩碑建立の記」にある両先生の経歴
 森 平三郎(1891~1980)
1943年(昭和18年)米沢高等工業学校校長
1944年(昭和19年)米沢工業専門学校校長
1952年(昭和52年)山形大学工学部長
1953年(昭和53年)山形大学学長
1955年(昭和30年)退官
 
 岡田 義夫(1891~1968)
日本羊毛工業会の碩学と言われた元老
元 日本フェルト統制工業組合専務理事
1952年(昭和27年)山形大学工学部 繊維工学科非常勤講師
1957年(昭和32年)退任

2.サミュエル・ウルマン(1840~1924)
1840年 ドイツで生まれ
1851年 アメリカ移住
1984年 アラバマ州バーミンガム金物屋を開業
1920年 これまで、市の教育委員長や地元の銀行の取締役を歴任、
    この間、幾つかの著作物を出版
    この年、80歳の誕生日を記念し、家族がウルマンの詩集を出版する 

3.青春の詩の原文

 YOUTH       Samuel Ullman

Youth is not a time of life -- it is a state of mind;
It is a temper of the will, a quality of the imagination, a vigor of the emotions, a predominance of courage over timidity, of the appetite for adventure over love of ease.
Nobody grows old by merely living a number of years;
people grow old only by deserting their ideals.

Years wrinkle the skin, but to give up enthusiasm wrinkles the soul.

Worry, doubt, self-distrust, fear and despair -- these are the long, long years that bow the head and turn the growing spirit back to dust.

Whether seventy or sixteen, there is in every beings' heart, the love of wonder, the sweet amazement at stars and the starlike things and thoughts, the undaunted challenge of events the unfailing childlike appetite for what next, and the joy and the game of life.

You are as young as your faith, as old as your doubt; as young as your self-confidence, as old as your fear, as young as your hope, as old as your despair.

So long as your heart receives messages of beauty, cheer, courage, grandeur and power from the earth, from man and from the Infinite, so long you are young. When the wires are all down and all the central place of your heart is covered with snows of pessimism and the ice of cynicism, then you are grown old indeed and may God have mercy on your soul.