野田市に関連した話
野田といえば醤油ということでそれに関連する話をします。
2002年の日本経済新聞の私の履歴書にインダストリアル・デザイナーの栄久庵憲司(えくあんけんじ)氏の話が載っておりました。シリーズ19回目の話です。
栄久庵氏の最初のヒット商品が1971年(昭和36年)にデザインした野田醤油(現、キッコーマン)の卓上醤油瓶だったそうです。
醤油は「醤油くさい」という言葉があるように、高級なイメージに程遠いものでした。醤油差しの形もあまり変わっていませんでした。そこで、依頼を受けた栄久庵氏は
(1)醤油で小容器に詰め、そのまま卓上におけるようにする。
(2)戦後の雰囲気は解放感だから、透明感を持たせるためガラスを使った瓶にする。
(3)醤油のしずくが落ちないように機能性を確保しつつ、美しい日本婦人をイメージがわくようにする
をコンセプトとしてデザインしたのが、現在も使われている卓上醤油差しだそうです。
当時、ダサいイメージで捉えられていた日本古来からの醤油が斬新なデザインでヒットして一変したわけです。
あくまで推察ですが、商標は亀甲紋に萬という文字を使っているから、創業者の家紋と創業者の一文字(または屋号)を取って亀甲萬としたのではないかと思われます。そして、イメージを変えるため、カタカナのキッコーマンにしたと思われます。(間違っていましたらごめんなさい。いつか、キッコーマンさんにお尋ねしたいと思います。)
今では、世界に誇れる醤油、そして、亀甲萬のマークは一流ブランドになっているように思います。