ユーロ高でヨーロッパ人の買い物客で賑わうニューヨークの商店街

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「Newsweek」日本語版2006.12.13号の記事「強いユーロは強者の勲章」によるとクリスマス商戦で賑わうニューヨークの玩具店や電化製品の店で、ユーロ高に乗ったドイツ人やフランス人の客が本国より3割も安いゲーム機やオモチャを買い込んでいるそうです。

日本でも12月12日、ユーロはこれまで最高の1ユーロ155円になりました。1年前の12月12日は139円でしたから、16円と11.5%も高くなっています。

ドルも2週間前、1ユーロ1.32ドルで今年の1月から11%も高くなっていると報道されていました。

これまでのアメリカへの輸出がそれほど増加していないが、成長しているBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)への輸出が数年前から拡大しており、今年は更に拡大しました。

昨年の実績でも、2005年のアメリカへの輸出額は1,850億ドルで5年間でわずか50億ドルしか増えていないのに、対アジア輸出額は2,440億ドルで440億ドルも増加しました。

また、オイルマネーで潤う中東への輸出も増加しているそうです。

もう一つはユーロが強くなっているというより、ドルが弱まっているからだそうです。今年1月からドルや円は5%しか上昇していませんが、ユーロはドルや円に対し11%も上昇しています。

よく、ビックイベント開催の波及効果で景気を押し上げると言われています。

今年、輸出が増えた上、一年を通して好調なのは今年5月のドイツでのワールドカップ開催が要因の一つにあげられるのではと個人的に思いました。

ワールドカップの開催で世界中にヨーロッパを宣伝したことになり、ドイツやフランスが遠い馴染みのなかった国々に知られるようになり、ヨーロッパ製品がアジア、中南米、中東で購入されたからではないでしょうか。

120年前の1886年、フランスはアメリカ合衆国独立100周年を記念して「自由の女神像」を贈りました。

今年は、ドイツ、フランス人の買い物客が大挙ニューヨークに押しかけ、ニューヨークの小売店にとって彼らは「ユーロの女神」に見えたかもしれません。