増加するオークションビジネス

イメージ 1

現在、インターネットオークションは利用者が急速に増えています。

 

ネットオークションが増加している理由は欲しいものが市場価格より安く購入でき、探していた古いもの、絶版になっている本や掘り出し物が見つかったり、不用品を意外な価格で処分でき、登録すれば誰でも参加できるからです。

 

Yahoo!オークションでは約500万人以上の人が参加しており、取扱商品は900万点を超える勢いで、ビッターズや楽天オークション(2006年11月楽天フリマから変更)もヤフーの3分の2以上の規模で増加しているそうです。

 

これはお金へ投資(海外の企業買収や株式売買など)する銀行、企業、個人が増加しており、美術品、骨董品に投資する人が増えているという一連の流れのなかで起きている現象だと思います。

 

こういう世の中の流れに対し、私も含め、製造業の技術系や現場で働いていた我々の年代の多くの人は戸惑い覚えていると思います。

 

1970年後半頃の話しですが、多くの日本の企業は利益を株主への配当を抑え、設備投資や従業員へ還元していました。日本の企業は終身雇用制度のため社員の能力向上は会社のためになると社員教育に力を入れました。

 

一般的にお金に投資してその値上がりで利益を得るような企業が主役になるような国はだめになるなどと言われていました。当時、投資するお金のナンバーワンは中東のオイルダラーで金額ではアメリカは2位でしたが、人数ではダントツの世界1位でした。

 

投資は銀行から始まり企業、個人、奥さんから子供までがやっていると言われてました。第1位がお金で第2位は美術品でした。

 

アメリカではオークションビジネスが急成長していました。そしてその次に伸びているビジネスはお金や美術品の盗難を防ぐ警備ビジネスや盗難防止機器製造メーカーでした。

 

従って、アメリカはこのままでは衰退していくなどと言っていた評論家がおり、私はなるほどと共感を覚えたものでした。

 

日本はバブル崩壊で日本的経営手法は否定され、今度はイギリスのビッグバンをお手本にして構造改革を始め、ようやく浮上することができました。

 

しかし、日本はアメリカのお金への投資は行き過ぎと批判していた市場経済主義に移行し、我々も現在の状況を時代の流れとして受け入れています。

 

そして、昨今の社会の流れを見てみると日本は20年前のアメリカの轍を歩いています。

 

現在では企業は株主を第1と考え、M&Aが増加しており、終身雇用制は幻のようになりつつあります。そして美術品、骨董品売買が盛んになり、テレビ番組「何でも鑑定団」が人気になっています。

 

ネットオークションが急激に伸びており、また、お金や美術品や高級品の盗難事件が多くなり、警備会社や防犯グッズのメーカーも伸びています。

 

アメリカは衰退するどころか、新しいビジネスが次々生まれ、まだまだ活力のある国です。よくよく考えるとアメリカで盛んだった製造業が日本にシフトして、次は日本から韓国そして、中国、インドにシフトしています。

 

国が経済的に安定して来ると製造業は次の開発途上国に移り、第三次産業増加し、国民に余裕がでてくると資産を増やすため、投資が増えてくると、今は当然と思えるようになっているから不思議です。

 

美術のオークションの老舗として、イギリスの創立1744年のサザビーズと創立1766年のクリスティーズは有名で、サザビーズアメリカの大手ネットオークション「eBAY」と提携したと伝えられています。

 

流れからすると、日本の現在のネットオークションはフリーマーケット的ですが、これからは高級品や本格的なオークションに移行していくように思われます。