公認会計士の不祥事で大規模会計事務所が存続の危機に立たされました。

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5月9日から連日、新聞は中央青山監査法人カネボウ粉飾決算事件に関連し、「法定監査」業務の停止命令の記事を報じています。

カネボウ粉飾決算事件の概要
2000年から2004年までの5年間で、約2000億円にも上る連結最終利益が出ていたが。実際は3年以上債務超過が続いており、虚偽の報告だった。
2005年6月東京証券取引所が、カネボウ上場廃止を正式決定し、再生機構傘下に入った。
2005年カネボウの監査担当だった中央青山監査法人公認会計士が、粉飾会計を指南していたとして逮捕された。

そして、今回、カネボウ粉飾決算事件で不正を防ぐための内部管理体制に重大な不備があったとして上場企業などに対する中央青山監査法人の「法定監査」業務を7月1日から2か月間停止する処分受けたのでした。

企業が株主、官庁に報告する最終決算についての詳細はわかりませんが、1970年代、工場で生産管理担当のとき、会社の定期会計監査がありました。

公認会計士グループ4~5人が数日間、工場各部署の関係書類を調査し、必要に応じ、呼ばれて質問を受けます。そのとき、呼ばれたことはなかったですが、石油化学製品の仕掛り品500mlの品質試験依頼書1年分数百枚を提出したことがありました。
こんな細かいところまで調査するのかと後で、経理担当に聞いたところ、ガソリンに混ぜて使用できるので、誤魔化してないか確認するということでした。
タンクヤードでは原料、仕掛品、製品を不当に移動したり、品種転換などやってないかなど調査されていました。

本社の最終決算書に矛盾はないか、税法や会計法に抵触しないか工場の生産、原料、原料タンクまで遡ってきたのでした。それにしても厳しく調査するものだと感じました。

多分、カネボウの最終決算書手前の決算書までは現場の正しいデータのもとに作成されていると思います。最後の段階でトップグループと公認会計士が鉛筆を舐めて数十億、数千億を誤魔化していると思うと許せません。

現場では、公認会計士は難しい国家試験を通ってきたエリートとして尊敬の念を持って対応していました。わずか一握りの人の不祥事とはいえ、会計事務所全体に及ぶ、厳しい処分を受けるのは当然です。

2001年に破綻したエンロン粉飾決算事件に関わった世界4大会計事務所のひとつだったアーサーアンダーセンが解散しましたが、それと同じ運命をたどるということもあるかもしれません。