米巨大金融系会社の破綻とその衝撃波で混乱する世界経済

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連休明けで新聞の休刊日の9月16日(火)、テレビでは米証券会社第4位のリーマン・ブラザーズが9月15日(月)に経営破綻し、世界の金融市場は混乱していると伝えました。

 

リーマン・ブラザーズサブプライム問題の影響で不動産投資が焦げ付き、今年の2月、66ドル(約7000円)あった株価が下がり始め、下落が止まらず、数か月前から資金調達や支払い能力に対する不安が高まり、9月12日には4ドル以下(約400円以下)まで下がり、39億ドル(約4000億円)の損失を出しました。

 

9月15日まで続いた米政府や金融機関の救済策協議もまとまらず、158年続いた名門会社がついに破綻しました。負債総額は6130億ドル(約64兆円)というアメリカ史上最大の倒産でした。

 

同じ9月15日、米銀行大手のバンク・オブ・アメリカは実質破綻した米証券会社第3位のメリルリンチを500億ドル(約5兆3千億円)で買収すると発表しました。

 

「米証券会社第4位の破綻と3位の実質破綻による身売り」というニューヨークを震源とする巨大地震から起こった津波は一瞬のうちに世界に波及しました。

 

そして、余震が起こりました。やはり、サブプライム問題で多額の損失を出した米保険会社第1位のAIG(The American International Group)が15日、各付け会社3社から格下げされ、2008年2月46ドル強(約5000円弱)あった株価が9月16日に5ドル以下(約500円)まで下がり、このまま、なんらかの手を打たないと破綻が懸念されると伝えていました。

 

日本では1990年のバブル崩壊後、不良債権を抱えた大手金融機関の北海道拓殖銀行日本長期信用銀行山一證券が破綻しました。

 

2000年には千代田生命保険会社が破綻し、会社更生を申請していましたがAIGスター生命保険会社に買収されました。

 

私は1970年(昭和45年)に千代田生命保険会社の生命保険に加入しましたが千代田生命がAIGに買収され、保険額と保険基礎額が約2割か3割減額しましたが生命保険は存続できました。今度はそのAIGも危なくなってきたのかと複雑な思いをしていました。

 

米連邦準備制度理事会FRB)は9月16日、AIGに対し、AIGの資産を担保に50億ドル(約9兆円)を融資するが、その代わりに米政府がAIG株式を80%の保有し、政府の管理下で再建を図ることにすると発表しましたので保険加入者は保護されると思われ、で安心しました。

 

9月17日、英国の銀行バークレイズ(Barclays)はリーマン・ブラザーズの北米投資銀行部門とキャピタルマーケット部門を買収することでを発表しました。400億ポンド(約7兆6000億円)の資産と380億ポンド(7兆2000億円)相当の負債を引き受け、またニューヨーク本社も取得するそうです。

 

これらの対策が打ち出されたことや既に、政府系住宅金融会社の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)や連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)も、米連邦準備制度理事会FRB)の融資を受け、政府管理下に置かれ対策が打たれたことにより、世界経済に甚大な被害をもたらすことは回避されたという見方が広がり、17日の夕方、各国の株価も持ち直してたが18日、まだ不安が解消されていないと再び下がったとテレビニュースで報じました。

 

優秀な頭脳を持つアメリカの学者と金融エリートが研究を重ね「サブプライムローン」という金融商品を発明したと思われますが、素人の短絡的な見方かもしれませんが、リスクを伴う「低所得者ローン」を証券化し、しかも獏大な金額に相当する量の証券を売り出せば、将来、大問題が起こるかもしれないことを予見できなかったのか不思議でなりません。

 

そして、巨大な資金を抱える巨大企業がその商品を大量に購入し、それがすべて損失になってしまったとは政府や民間の優秀な頭脳を持つ人々は一体、何をしていたのか全く理解できません。

 

グリーンスパンFRB議長は1回の講演料が18万ドル(1800万円)をとるほどの金融通でありながら有効な提案を打ち出せなかったとは・・・金融通を返上して欲しいくらいです。
元実力政治家の講演料

yaseta.hateblo.jp

 
今後、世界や日本の経済はどうなっていくのでしょうか。日本経済を支えている一般サラリーマンの給料に大きく響かないように祈りたいものです。

 

【参考】
(1)リーマン・ブラザーズ(Lehman・Brothers)
業務:証券・資産運用・投資銀行、創業:1850年、本社:ニューヨーク、従業員:2万8000人(2008年2月)、時価総額:2007年 250億ドル(2兆6000億円) → 2008年9月15日 25億ドル(2600億円)、90%減

 

(2)AIG(The American International Group)
業務:保険・金融サービス・資産運用、、創業:1919年、本社:ニューヨーク、従業員:11万6000人(130カ国)、時価総額:2007年 1830億ドル(194兆円) → 2008年9月15日 128億ドル(1兆3600億円)、93%減