蘇ったブランド「ナップスター」がネット音楽配信サービス市場に参入

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時々、運河の書籍、ビデオ、音楽ソフトコーナーを持つTSUTAYAに行きますが、最近、音楽ソフトコーナーの客が少なくなっていると感じていました。

先日の新聞に映像をのぞく音楽ソフトの売上は2005年の生産額が3672億円とピーク時の1998年と比べ約4割も落ち込んで、廃業する音楽レコード・CD店が増えていると載っていました。

一方、ネットによる音楽配信サービスが普及してきて、2006年1月~6月まで上半期の音楽配信の売上高は前年同期比1.74倍の247億円と大幅に伸びているそうです。

音楽レコード・CD店舗販売のタワーレコードは新市場に目を向け、2005年10月アメリカのNapstar社と合弁でナップスタージャパンを設立し、2006年12月3日にインターネット音楽配信サービス「ナップスター」を開始しました。

既に日本ではアップルがインターネット音楽配信サービス「iTunes Store」と携帯音楽プレーヤー「iPod」で半分以上のシェアを占めており、他にMSNミュージックマイクロソフト、年内に「Zune Marketplace」に変る?)、OnGen(USEN)、OCNミュージックストア、エキサイトミュージックストア(エキサイト)、モーラ(レーベルゲート)などが参入しております。

今回のネット音楽配信サービス「ナップスター」の参入で激しい競争が始まっています。

アップルの「iTunes Store」は1曲単位でダウンロードできる「従量課金サービス」ですが、「ナップスター」は「従量課金サービス」のほか、毎月一定の会費を支払うことで無制限に楽曲をダウンロードできる「サブスクリプションサービス」を武器にアップルの牙城を切り崩すと言っております。

Napsterといえば1999年にノース・イースタン大学の学生だったShawn Fanning(ショーン・ファニング)と友人の2人がネットワーク内で音楽共有するソフトウェア「Napstar」を開発し、Napster社を設立しました。

音楽をMP3形式のデータに変換して自分のパソコンに入れておき、同じように音楽を保存しているパソコンをインターネットで接続し、ナップスター利用者が欲しい音楽名を検索し、インターネットを通じ欲しい曲を入手することが可能になりました。

音楽が無料交換ができることから、利用者が急激に増加しましたが、著作権の侵害行為で、このソフトを開発したNapster社は2000年7月、全米レコード工業会(RIAA)などから提訴され、2003年5月Napster社は敗訴し、ソフト会社メーカーであるRoxio社にすべて資産を買収されました。

Napster社が消滅し、このソフト、サービスも姿を消しましたが、2000年代の社会の既存の仕組みを壊すというショックとともに新しいルールが必要という示唆をあたえた大きな事件でもありました。

社会問題を起こしたNapster社でしたが一般消費者には人気がありました。それが理由かはわかりませんが、2004年8月Roxio社はNapster社と変更し、再びNapsterという名前が復活しました。

幕張で開かれた「CEATEC JAPAN2006」(デジタル分野の最新技術や製品の展示会)10月7日(土)に行ったとき、14日間無料視聴券とマスコットを貰って、初めて、忘れていたNapsterの名前を思い出しました。

そして、音楽配信の先駆けだったナップスターというブランドを蘇らせ、月々1280円で150万曲を聴き放題の音楽環境というキャッチフレーズで参入しました。
http://www.napster.jp

NTT DoCoMoのブースではナップスター音楽配信サービスにも対応した携帯電話902iを揃え、ドコモが提供するミュージックストアにナップスター音楽配信サービスも追加したと展示説明をしていましたが音楽プレーヤーとしては競争相手はiPodマイクロソフトZune(年内発売)があります。
アップルとマイクロソフトの因縁の対決
  

yaseta.hateblo.jp

 10月12日には新しい携帯電話の新端末「903i」シリーズ11機種を発表し、すべて音楽プレーヤー機能があり、そのうち5種類がナップスターに対応して、迎え撃ちます。

そして、ナップスターはNTT DoCoMo を味方につけ、iTunes Store、マイクロストアのMNSミュージック(年内に「Zune Marketplace」に変る?)を相手に回し、インターネット音楽配信サービス市場にどこまで食い込めるのか注目を浴びています。