英政府、30年を経てロッキード事件の機密文書を公開

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今日7月20日の読売新聞に“ロッキード30年後の真実”という記事が載りました。
田中元首相が逮捕されて30年を経て機密文書が公開され、新たな歴史的事実がわかったということでした。

ロッキード事件とは】
今から丁度30年前の1976年2月4日、ロッキード社製旅客機「トライスター」の全日空採用を巡り、金を受け取った「田中角栄元首相」、金を受け取り、影で動いた仲介役の右翼の大物「児玉誉士夫」、金を渡したロッキード代理店の丸紅の元幹部が逮捕され、有罪になりました。

一方、米国上院で行われた公聴会で、ロッキード社の副社長コーチャンが証言喚問され、ロッキード社が全日空をはじめとする世界各国の航空会社に旅客機「トライスター」を売り込むため、各国の政府関係者に巨額の賄賂をばら撒いていた事を認め、全世界が驚く事件となりました。
賄賂工作では、お金の受け渡しをカモフラージュするため1ピーナツが100万円という暗号を行っていたことも明らかになりました。

私は30年前 “I社所内報“にロッキード事件のことを描いたマンガを思い出し、ブログに載せてみました。

【今回明らかになったこと】
全日空の機種決定直前の1972年2月9日、東京で行われた日英首脳会談で、当時のヒース英首相が田中首相に対し、トライスター購入を強力に働きかけていたことが今回、公開されたイギリス政府の機密文書で初めて明らかになりました。

その背景には日本は高度成長期にあり、対英輸出が黒字であったが、イギリスの対日輸出は赤字で貿易不均衡が起こっていました。

さらに、名門ロールスロイス社は1971年に経営が破綻し、国有化され、経営建て直しを図っており、ロールスロイス社製のエンジンを搭載していたロッキード「トライスター」をどうしても販売しなければならない事情があったと述べていました。

【海外については】
ロッキード社の売り込み工作は韓国、オランダ、西ドイツ、スウェーデン、スペイン、イタリアなど10カ国以上でスキャンダルになり、各国の政治・社会に混乱を巻き起こしました。

当時、ベアトリックス現オランダ女王の実父ベルンハルト殿下やイタリアの首相クラス、西ドイツの閣僚など当時の権力者の収賄などに対し、核心に触れることができずに終わってしまったそうです。

今回、公開された機密情報の海外の内容は今日の新聞には詳しく掲載されていなく、どこまで核心に迫れたかは不明です。