昔、見たテレビ「夕日と拳銃」を思い出し、小説を読む。

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先日、「赤い夕陽の広野を走る特急アジア号」を描きましたが、満洲から引き上げてきたほとんどの方は満洲の地平線上に沈む夕日(夕陽を夕日に替えます)の雄大で美しい光景が忘れられないと言います。

2006/3/31
yaseta.hateblo.jp私は親戚・先生・会社の先輩から満洲の思い出話しを聞いていましたので、私は満洲から連想することは夕日とそれから学生時代見たテレビドラマ「夕日と拳銃」です。

拳銃の名手で型破りな青年だが「仁と義」を持つ、伊達政宗の末裔「伊達麟之介」が満洲馬賊になって、お守り役の逸見六郎と共に活躍する話です。

麟之介を慕う侯爵の娘「おアネさん(綾子)」との悲恋には泣かされました。テレビの綾子役の女優の名前は忘れましたが本当にきれいで、私のほうがとりこになりました。
綾子は恋焦がれ、麟之介も慕っているが、馬賊の夢捨てきれず、苦悶します。いつ一緒になるのか、どう展開するのか自分が主人公になったつもりで期待して見ていました。

12回シリーズだったと思いましたが結局、一緒になることはなく、おアネさんをいつも思いながら、満洲を舞台に馬賊として満洲に散っていきましたが、おアネさんが可哀想で涙を流した記憶があります。

しかし、伊達麟之介の馬賊姿と綺麗だった綾子のぼやっとしたイメージ、また逸見六郎の若トンシャンということばしか思い出さないので、小説を読みたいと思っていました。

先日、図書館から原作である檀一雄の「夕日と拳銃」を借り、読みました。

伊達麟之介は日本の五族協和と王道楽土を信じ、得意の拳銃を持ち、蒙古の独立運動を助けたり、盗賊団(土匪・匪賊)から開拓団を守り、満洲桃源郷を造る夢を実現するため活躍します。

馬賊には、麟之介が手助けする蒙古側のパプチャプ、中国側の張作霖、朝鮮側パルチザン金日成(現総書記「金正日」の父)、そのほかの馬賊、匪賊がおりました。それに中国共産党の正規軍、蒋介石軍、関東軍が加わり、入り乱れて満洲無政府状態でした。

義を重んじる麟之介は関東軍とは一線を置き、桃源郷を目指しますが日本の敗戦とともに、夢敗れ去り、なんのためらいもなく、判決文全てを受け入れ、銃殺刑により散って逝きました。

今回、あらためて、小説を読んだが、学生時代、テレビでみた「夕日と拳銃」ほど感動は覚えませんでした。しかし、伊達麟之介は中国法廷で裁かれますがそのいさぎ良さには涙しました。