

西暦4月(仲春)・陰暦三月(晩春)
奈良時代の万葉集にある「霍公鳥」も平安・鎌倉時代の「郭公」も音読みではカッコウだが、訓読みでホトトギスと読ませており、当時はカッコウもホトトギスも同じ鳥と思われていたようです。
【2025年5月(陰暦 卯月(うづき)四月)】
【立夏】
立夏(第七節気) : (西暦)5月5日~5月20日
立夏(第七節気) : (陰暦)四月八日~四月二十三日 (四月節)
新緑の風薫る、爽やかな初夏の季節。
陽気が増して、うっすらと汗ばむような薄着が続く。
人の装い、水の光、すべてが眩しく、夏めいていくころ。
【小満】
小満(第八節気) : (西暦)5月21日~6月4日
小満(第八節気) : (陰暦)四月二十四日~五月九日 (四月中)
草木が勢いよく成長し、天地に陽気が満ち始めるころ。
麦が実りのときを迎えることから麦秋という。
紅花が咲き、蚕が盛んに桑を食べ始めるころ。
【藤原定家(1216年)の花鳥和歌〈卯の花に郭公(ホトトギス)〉】
陰暦四月節 : 立夏(四月八日~四月二十三日)
陰暦四月中 : 小満(四月二十四日~五月九日)
西暦5月 : 立夏(5月5日~5月20日)
西暦5月 : 小満(5月21日~6月4日)
【卯の花】
白妙の 衣ほすてふ 夏のきて かきねもたわに さける卯花
【現代語訳】
風薫る爽やかな夏がやって来て、卯の花が白い衣を干す垣根のようにたわわに咲き乱れている。
[白妙の衣ほすてふ]
白い衣を干すという言葉は夏の到来を告げる季語である。
[かきねもたわにさける卯花]
垣根もたわわに咲いている卯の花という意味。
卯の花の咲き乱れる様子を表現している。
夏の訪れとともに、卯の花が咲き乱れる様子を、白い衣を干しているように見立てて詠んでいる。
【郭公】
郭公(ホトトギス) しのぶの里に さとなれよ まだ卯の花の さ月待つ比(ころ)
【現代語訳】
ホトトギスよ、忍ぶ里に早く来て鳴いておくれ、まだ卯の花が咲く五月(さつき・皐月)を待ちわびている頃なのだから。
[しのぶの里にさとなれよ]
忍ぶ里に早く来て鳴いておくれ。
ホトトギスの到来を待ちわびる気持ちを表している。
[まだ卯の花のさ月待つ比]
まだ卯の花が咲く五月を待ちわびている頃.
卯の花が咲き続ける五月を待ちわびる気持ちを強調している。
[卯月]
陰暦四月。卯の花が咲く月。
[さ月(皐月)]
陰暦五月。早苗を植える月。
[托卵(たくらん)]
自分と違う鳥の巣に卵を産み、子育てをさせる。
[郭公、霍公鳥、ホトトギス]
郭公も霍公鳥もホトトギスと読む。音読みにすると「霍公鳥」も「郭公」もカッコウと読み、当時はカッコウとホトトギスは同じ鳥とされていたようである。
カッコウ目・カッコウ科に分類される鳥類。カッコウ科だけで約150種いる。
ホトトギスはウグイスなどに托卵する習性があるがカッコウは自分の巣で子育てする。
日本では古来、様々な文書に登場し、杜鵑、杜宇、蜀魂、不如帰、時鳥、子規、田鵑はすべてホトトギスと読ませている。また、「喚子鳥(よぶこどり)」、閑古鳥、ふふどり、がっぽうどりなど、漢字表記や異名が多い。季語は夏を示す。
万葉集では三分の二が「霍公鳥」と書き表わしており、平安・鎌倉時代になるとほとんど「郭公」と書くことが多くなる。
卯の花の ともにし鳴けば 霍公鳥(ホトトギス) いやめずらしも 名告(の)り鳴くなへ
[喚子鳥(よぶこどり)]
百千鳥(ももちどり)や稲負鳥(いなおどり)とともに「古今伝授」の三鳥の一つとされ、どんな鳥かはっきりせず、いろいろな説が提示されている。
徒然草第二一〇段に「喚子鳥」は「万葉集の長歌の中に鵺(ぬえ)に似ており、また、真言宗の真言書には鵺(ぬえ)である」と解説している。
喚子鳥は鵺(ぬえ)説、ツツドリ(筒鳥)説、ホトトギ説、カッコウ(郭公)説がある。季語は春を示す。