イエス・キリストとはそも何者ぞ?「第4話:天と地と太陽と月と万物と最後に男と女を創造された全知全能の神ヤハウェ」

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「知の巨人」と言われた立花隆氏が2年前の2021年80歳で亡くなり、私と同じ歳の幼友達と学生時代の同級生も2021年76歳で立て続けに亡くなったことから死を身近に感じ、立花隆氏の「死はこわくない」やキューブラー・ロス女医の「死ぬ瞬間」やシェリー・ケーガン教授の「死とはなにか」などを立て続けに読みましたが死んだ後どうなるか、魂(たましい)は存在するのかよくわかりませんでした。

 

立花隆氏が残した業績と行動を死の直前までを追った2023年1月3日NHKスペシャル立花隆 最後の旅」をテレビの再放送で見たことを思い出し、あらためて霊魂やキリスト教の神(聖霊)について考えてみました。

 

立花隆氏は若いとき、死を恐れていましたが2014年74歳のとき、NHKスペシャル「臨死体験」の取材を通じて知識を得たことに加え、この頃から老いの進行を強く感じ、また、同級生も次々なくなり、いずれ自分も死を迎えるに違いないと実感し、理解できるようになったと言います。

 

番組取材を通して立花隆氏は肉体が滅びたあと心(魂)はどうなるか臨死体験した人や脳科学ホスピスの専門家に聴取し、死後の世界の謎の解明に迫りました。

 

50年前世界中でベストセラーになり、現在も売れている「死ぬ瞬間」(1969年)の著者キューブラー・ロス女医にインタービューしました。

 

彼女は末期患者約200人との面談内容を録音し、死にゆく人々の心理を分析し、深い悲しみの過程は否認、怒り、取り引き、抑うつ、受容という5つの感情的段階を経るという「悲しみの5段階モデル」を提唱した人です。

 

キューブラー・ロス女医は死に行く患者の「自分はマリア様、イエス様と合った」という話(臨死体験)を次々と聞いているうちに、「人間の肉体は繭(まゆ)に過ぎない、本当の心(魂)すなわち蝶は不死であり不滅である。そして死と呼ばれる瞬間に自由になる。」と本気で信じるようになり、死はこわくないどころか楽しみである答えました。

 

しかし、立花氏は臨死体験者と脳科学者を聴取し分析した結果、臨死体験の中で魂の離脱やイエス様・仏様と合った話や極楽浄土、心の安らぎを覚えるかというと必ずしもそうでないことがわかったと言います。

 

死にゆく過程に入った時、人間の意識を支えているメカニズムが壊れていく過程で起こる現象が臨死体験であると結論づけました。そして、死んだ後はごみになると自分は思っているが体験できないのでわからないと言いました。

 

立花隆氏はNHKスペシャル「臨死体験」放映6年後の2021年4月30日に80歳で急性冠症候群のため死去しました。本当に臨死体験をしたわけですが生きているわれわれ誰一人として彼の体験談を聞くことはできません。

 

2018年に出版されたイェール大学シェリー・ケーガン教授の著作「死とは何か」で人が死んだらどうなるかについて人格説と身体説の2つの考え方があると述べています。

 ● 人格説:身体と人格(思考や感情)の機能が同時に失うことを「死」とする考え方

 ● 身体説:身体は失うが心(魂)が残ることを「死」とする考え方

 

立花隆氏やシェリー・ケーガン教授は身体(肉体)と思考や感情(心)が同時に壊れたとき死とする人格説を採用しており、心が消滅した死体はやがてごみになると考えています。

 

キューブラー・ロス女医のように自然科学を信じている人でも人間の死に関しては身体説を信じており、死体はごみになっても心(魂)は生き続けると信じています。そして彼女は敬虔なキリスト教徒でもあります。

 

しかし、道徳哲学・規範倫理学の専門門家のシェリー・ケーガン教授や世界の医学者・専門家を取材・調査した知の巨人立花隆氏でさえも魂が存在するか否かは検証できませんでした。すなわち、魂の存在は死んだ本人しかわからない、永遠の謎なのです。

 

【人類の誕生と進化の過程を考古学・歴史学で知ることは可能だが---

-科学では解明できない魂の存在を信じることにより平安と慰めを得るものがある】

 

聖霊である全知全能の神「ヤハウェ」は6日間かけて天と地と太陽と月そして万物を創造し、最後の7日目に男と女を創造した後、休息されました。

 

聖霊ヤハウェを信仰する人々はこれに習い6日間働き、7日目を聖なる日(holy day)として休日(holiday)としたことにより、1週間という日付単位ができ、世界に広がったことを知りました。

聖書の出エジプト記は奴隷状態の苦しみから神の導きで乳と蜜の流れる約束の地(カナン=パレスチナ)へと脱出する神話、そしてこの世の苦しみから解放されあの世の極楽浄土へ行くという仏教の教えと似てなくもないです。

【仏教の教え】

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だからこそ、人は心の平安や慰めを魂や仏様や聖霊を信仰する宗教に求めているのだと思います。

 

聖書の創世記や出エジプト記を単なる神話ととらえず、理解するため聖書についてさらに学ぶ必要があると思いました。

 

旧約聖書 創世記 第1章】

はじめに神は天と地を創造された。

地には形がなかった。あらゆるところは無ですべて闇だった。

しかし主は深淵の上にご自身の魂を嵐のように送られた。

すると神は言われた。「光あれ」

すると光は無の中で輝き、神は光を見て、良しとされた。

神は光を「昼」と呼ばれた。闇を「夜」と呼ばれた。

夕べと朝が過ぎて、一日目になった。

 

そして神は言われた。「上の奔流と下の水を分けるように、水の中に大空あれ」

そしてそのようになった。

神は大空を「天」と呼ばれ、二日目が終わった。

 

神は言われた。「乾いた土地があらわれるように、天の下の水は定めたところを流れよ」

すると水は流れとなり、川となって海に注いだ。水はその場所にとどまった。

神は乾いた土地を「地」と、水がおびただしく集まったところを「海」と呼ばれ、それを良しとされた。

それから言われた。「大地は草を芽生えさせよ。時期が来ればそれぞれ増えるように、種を持つ植物と、果実つける木を芽生えさせよ」そしてそのようになり、神は良しとされた。

それが世界の三日目となった。

 

神は言われた。「昼と夜を分ける二つの明かりが大空にあれ。その輝きで、時、年、季節、日をはかるように」そして神は二つの明かりを天にすえられた。

----大きい方が昼を治め、小さい方が夜を治めた----そして星々がつくられた。

神はそれを見て、良しとされた。

夕べと昼があり四日目になった。

 

神は言われた。「水の中に生き物があふれるように」そしてまた言われた。

「鳥は天に届くほど高く飛ぶように」----

このようにして神は海獣や魚、翼のある鳥をつくられた。

そしてそれらを祝福して言われた。

「産めよ、増えよ、海の水、土地、枝、天の輝かしい空気を満たせ」

それが五日目だった。

 

そして神は言われた。

「大地は生き物を産み出し家畜、はうもの、地のけものを産み出せ」そして

そのようになり、それぞれ生き物が造られ、神はそれを見て良しとされた。

 

主なる神は言われた。

「次に私の姿に似せて人をつくろう」そこで主なる神は赤土で人の形をつくり、その鼻孔に命の息を吹き込まれた----すると土は生きる者となった。それは二本の脚で立ち上がって歩いた。

 

同じ日に、主は東のエデンに園を造られた。そして見て美しく、食べるのに良い木で満たされた。それから中央に生命の木と善悪の知識の木を置かれた。

 

「見よ、あなたに植物、動物、魚、取り、草、息するもの、すべてのものを与える。あなたはエデンあるすべての木から取って食べても良いが、中央にある善悪の知識の木だけは決して食べてはならない。それを食べたら、あなたは死ぬことになるからだ」

 

そして、豊かな園に一人きりの人を見て神は言われた、「一人でいるのは良くない、彼に会う助けになる者をつくろう」そこで「彼を小さな丘に横たえ、深い眠りに落とされた。

 

そして彼の肋骨を一本取り出し、骨のあった場所を肉で埋められた。そしてその肋骨から女をつくられた。

それから人を起こし造った女を彼に見せられた

男は喜んで笑い、声を上げた“ついに 私の骨の骨、肉の肉だ”

 

こうして男と女はエデンの園に住み、二人とも裸だったがそれを恥じることがなかった。

神はつくられたものすべてをごらんになり、すべてが満足のいくものとなった。

これが六日目の終わりだった。

 

すべての仕事を終え、天と地、そのなかの万物が造られると、主なる神は休まれた。

神は七日目に休まれ、とのときからその日を永遠に祝福された。

七日目は常に神聖で神のためにささげられるのだ。

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【参考】

1.「死はこわくない」、立花隆、文春文庫、(株)文芸春秋、2018.7.10

2.「死ぬ瞬間‐死とその過程について」、エリザベス・キューブラー・ロス、柴田裕之訳、中公文庫、中央公論新社、2001.1.1

3.「死とは何か」、シェリー・ケーガン、(株)文響社、2018.10.10

4.「聖書入門」、アンゼルム・グリューン、中道基夫訳、キリスト新聞社、2013.12.25

5.「聖書入門‐講談社選書メチエ」、フィリップ・セリエ、支倉崇晴訳、(株)講談社、2016.12.9

6.「小説「聖書」旧約篇」、著 ウォルター・ワンゲリン、仲村明子訳、(株)徳間書店、1998.5.31

7.「小説「聖書」新約篇」、著 ウォルター・ワンゲリン、仲村明子訳、(株)徳間書店、1998.6.30

8.「小説「聖書」使徒行伝」、著 ウォルター・ワンゲリン、仲村明子訳、(株)徳間書店、2000.8.1

9.「旧約聖書 1955年改訳」、日本聖書協会三省堂、1965

10.「新約聖書 1954年改訳」、日本聖書協会三省堂、1965