季節が変化する説明図の作成について

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季節変化の説明図

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気象天文観測旧暦による季節

太陽が出て朝になり、沈んで夜になり、また朝を迎え次の1日が始まります。この1日を積み重ね、寒い日が続いたと思うと暑い日が続くなど自然が変化し、「春夏秋冬」の季節の1年が繰り返されます。

 

このように地球に昼と夜が来る1日があり、季節が変り一巡する1年があるのは、地球が地軸(自転軸)を約23.4°傾けて1日1回自転し、同時に太陽の周りの軌道(公道)を1年かけて回って(公転)いるからということは誰でも知っています。

 

なぜ地球が傾いて自転・公転すると季節が変化するのか、つきつめて考えると私はまったくわかっていませんでした。

また、同じ季節でも旧暦の季節の春は立春の2月3日頃から始まり、天文学的季節の春は春分の3月20日頃から始まり、気象学的季節の春は啓蟄の3月5日頃から始まります。

また、生活場所(観測地点)が北半球か南半球化かそして緯度によっても異なります。

 

季節が変化する原因の説明図を作ろうとしましたが理解するのに時間がかかり、2021年3月20日の春分には間に合わず、4月に入ってようやくできましたのでブログ載せたいと思います。

 

地球の地軸が傾いていると季節変化の説明が難しいので、前提条件を設定しました。

 

【季節変化説明のための前提条件】

(1)地球は太陽の周りの公道を地軸23.5°傾いた状態で公転していますが太陽の中心から地球の中心の公道までの距離を半径とし、水平の公道面を入れた球体(天球)を作図します。

 

(2)公道面に対し、太陽の中心から垂直に直線を延長すると天球に交わる点が天の北極および天の南極となります。黄道(見かけ上の太陽の軌道)は天の公道でもある。(黄道は天の公道とする)

 

(3)太陽の周りを公転する地球の1年(黄経360°)を旧暦の季節二十四節気に合わせ、24等分し、地球が黄経15°移動すると1節気進むとする。

 (二十四節気は旧暦(太陰太陽暦)の元の太陰暦の日数(季節)のずれを補うため太陽の1年(太陽暦)から作られ、採用されたものです。)

yaseta.hateblo.jp

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(4)地球が春分点に達した瞬間を黄経0°とし、春分(第四節気)から春が始まります。黄経90度の第十節気の「夏至」(夏至点)、黄経180度の第十六節気の「秋分」(秋分点)、黄経270度の第二十二節気の「冬至」(冬至点)と天文学的季節は二至二分から始まります。

 

(5)説明しやすいように天球の中心に水平になっている公道面を反時計回りに23.5°回転し、地軸(自転軸)を垂直します。 すると天球の中心水平面は地球の赤道の延長となる天の赤道面になります。

 

(6)公道面と天の赤道面との傾斜角である公道傾斜角は黄道傾斜角と赤道傾斜角と地軸傾斜角と等しく23.4°となります。

 

【南中高度の計算条件】

(1)地球の観測地点は日本の中央(日本経緯度原点)である東経139°、北緯35°とします。

 

(2)正午に太陽は南の空に最も高く登る二至二分のときの地面と太陽との角度「南中高度」を求めます。

 

以上の条件より「季節変化の説明図」を作成するとなぜ季節が変化するのかわかります。

 

地球が春分点(黄経0°)に来ると地球の公道面と太陽の赤道面が交差し、地軸が垂直のまま太陽と水平になるため、観測者①の目線でみると北緯35°地点での春分の南中高度(図①)は55°となり、昼と夜が同じ長さになることがわかります。地軸は垂直になっていますが本来の地球(公道面を水平にする)に戻しても地軸は垂直のまま(図A)かわりません。秋分点(黄経180°)も同様です。

 

夏至点(黄経90°)に地球が来る北極側は太陽に向き、夏が始まります。

観測者②の目線で見ると北緯35の地点の南中高度(図②)は78.4°となり、昼は最も長くなります。

説明図の公転面を反時計回りに23.4°回転していますので時計回り23.4°戻し、地軸が23.3°傾いた本来の地球の姿に戻した夏至の南中高度は図Bになります。

 

冬至点(黄経270°)の北緯35°地点は南極側が太陽に向き、冬が始まります。

観測者④の目線で見ると北緯35の地点の南中高度(図④)は31.6°となり昼は最も短くなります。本来の地球の姿に戻した冬至の南中高度は図Dになります。

 

夏至は北緯が高くなるほど昼が長くなり、北極付近では一日中太陽が沈まず白夜となり、南極付近では一日中太陽が昇らず極夜となります。

 

冬至は南緯が高くなるほど昼が長くなり、南極付近では一日中太陽が沈まず白夜となり、北極付近では一日中太陽が昇らなず極夜となります。北半球では冬、南半球では夏となります。

 

【参考】

1.「暦要項など」、国立天文台のホームページ

2.「天球、黄道傾斜角など」、フリー百科事典「ウィキペディアWikipedia)」

 

3.日本の標準時(中央標準時)の基準は明石にあり、東経135°の子午線(経度の線)です。

4.日本の経緯度原点(日本の中央)は元東京天文台跡地の港区麻布台で東経139°、北緯35°です。