コロナで巣ごもり生活が続いているとしきりに昔のことが思い出されます。
山形県西置賜郡小国町舟渡・大宮地区の森の湿地に山形県指定の天然記念物「チョウセンアカシジミ蝶」の幼虫の食べ物となるデワノトネリコが分布しており、チョウセンアカシジミ蝶が生息しています。
国内では、青森および岩手、山形、新潟の各県だけ生息しているといわれ、山形県内では、1960年(昭和35年)に初めて真室川町神ヶ沢と新庄市昭和で発見されました。
その後、置賜地方の小国町、川西町、長井市そして白鷹町で発見され、1977年3月、山形県の天然記念物に指定されました。
原産地は朝鮮半島およびアムール地方、体長12mm前後、翅を広げた幅35mm前後の小型、シジミチョウ科の蝶、色はオレンジ系であるが、山形県内ものは黒化が進んでいるそうです。
デワノトネリコの幹下方の樹皮に産み付けられ、越冬したチョウセンアカシジミの卵は春に幼虫になり、デワノトネリコの新芽を食べ、大きくなり、5月~6月幼虫がさなぎになり、6月~7月さなぎが羽化して蝶になります。
私は1955年~58年の小・中学生時代、小国町の山や野原に出かけ、蝶採りに夢中になりました。(中学1年の夏休みの作品に蝶の標本を提出しました。)
しかし、比較的捕虫しにくいカラスアゲハ、キアゲハなど大型の蝶を求めて500mの山の上まで登りましたが、小さなシジミ蝶類にはまったく見向きもしませんでした。
1960年に高校生になり、米沢市で下宿生活を始め、蝶への興味は薄れすっかり忘れ、1960年代に小国町でチョウセンアカシジミが発見されたことや1977年に山形県指定の天然記念物になったことなどまったく知りませんでした。
2008年中学校の同級会に出席したとき、小関佳雄君から資料【参考(1)】をいただき始めて知ったしだいです。
【参考】
(1)「大宮の森と自然」、山形大学名誉教授 塚原初男、講演会報告書、発行 大宮ふるさと塾 実行委員会 小関佳雄、2008.5.24