令和元年12月の絵「十三仏信仰と十二神将」

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十三仏信仰_futoritaimon

六地蔵信仰

平安時代にヒンドュー教から地獄の王として閻魔王が単独で仏教に入り、地蔵菩薩が故人を裁く閻魔王に化身することになります。また、地蔵菩薩は六道に苦しむ衆生を救うとして「六地蔵信仰」が成立しました。

 

地蔵十王信仰

鎌倉時代不動明王から阿弥陀如来の十仏が道教の十王と習合し、「地蔵十王信仰」が成立しました。

「地蔵十王信仰」では阿弥陀如来観音菩薩勢至菩薩の三尊が極楽浄土へ直接導いてくれます。

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十三仏信仰

室町時代になるとこの「地蔵十王信仰」の十仏に阿閦如来大日如来虚空蔵菩薩の三仏が加わり、初七日から三十三回忌までの十三の法要と故人の修行を指導・導く仏様を本尊とする「十三仏信仰」が成立しました。

 

生き物は生まれてそして死んでいきます。ひとつの生き物が死ぬと別の生き物として生まれ変わるといいます。

これを輪廻といいます。生まれ変わる世界は天上界、人間界、餓鬼道、修羅道地獄道畜生道と六道あり、六道輪廻とも言います。

 

人が死ぬと七日毎に生まれ変わり、遅くとも七七日(ななのか四十九日)までに七人の仏様(本地仏)の裁きによって六つの世界のどれかに行くことになります。

 

家族の追善供養の支援と修養を積むことにより六道から救われ、脱出(解脱)可能になります。さらに三人の仏様に導かれ修行を積み、極楽浄土へ行き、成仏します。

 

十三仏信仰では初七日から三十三回忌まで故人に善を送る(追善)法要を営みます。

十三仏本地仏)    裁判         十三王

不動明王  初七日  (007日目・06日後)秦広王(しんこうおう)

釈迦如来  二七日  (014日目・13日後)初江王(しょこうおう)

文殊菩薩  三七日  (021日目・20日後)宋帝王(そうていおう)

普賢菩薩  四七日  (028日目・27日後)五官王(ごかんおう)

地蔵菩薩  五七日  (035日目・34日後)閻魔王(えんまおう)

弥勒菩薩  六七日  (042日目・41日後)変成王(へんじょうおう)

薬師如来  七七日  (049日目・48日後)泰山王(たいざんおう)

観音菩薩  百か日  (100日目・99日後)平等王(びょうどうおう)

勢至菩薩  一周忌  (002年目・01年後)都市王(としおう)

阿弥陀如来 三回忌  (003年目・02年後)五道転輪王(ごどうりんてんおう)

阿閦如来  七回忌  (007年目・06年後)蓮華王(れんげおう)

大日如来  十三回忌 (013年目・12年後)祇園王(ぎおんおう)

虚空蔵菩薩 三十三回忌(033年目・32年後)法界王(ほうかいおう)

 

十二神将十三仏のひとつ薬師如来の守護神です。

 

【参考】

1.「仏教民俗辞典」、仏教民俗学会編、新人物往来社

2.「日本仏教史辞典」、今泉淑男編、(株)吉川弘文館、1999年10月20日